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身体の仕組みを理解して指導してますか?『フォームは人それぞれ』その②

今回は前回の続きとなります。
理解を深めるには前回の内容を読んでいただければと思います。



■キレイなフォームは主観的な概念に過ぎない

「キレイなフォーム」とは、
誰が見て「キレイ」と感じるかによって変わる主観的な評価です。
スポーツにおいて、
フォームの「美しさ」「正しさ」はしばしば議論されますが、それが一律に全ての選手に当てはまるわけではありません。

実際には、各選手の身体的な特徴やパフォーマンス目標に応じて、最適なフォームは異なるものです。

たとえば、プロの選手でもフォームは千差万別です。

前回、例として挙げた大谷翔平選手とジェイコブ・デグロム選手のフォームのように、
見た目に大きな違いがあっても、それぞれの選手にとっては
「正しい」フォームであると考えられます。

しかし、これを「キレイ」とするかどうかは、あくまで観る人の主観に過ぎません。

1. 見た目と実用性は一致しない

特に少年スポーツの指導では、指導する側が
「キレイなフォーム」を強調しすぎることで、
選手が自分に合わない動作や解剖学など科学的根拠を無視した内容を無理に取り入れることがあります。

しかし、フォームの「キレイさ」とパフォーマンスの実用性は必ずしも一致しません。

見た目が「キレイ」であるかどうかは、そのフォームがどれだけ効率的に

力を伝え、怪我のリスクを減らすか
という観点から判断されるべきではないかと考えております。

2. 主観が選手の可能性を狭める

「キレイなフォーム」という主観的な基準に固執すると、選手の可能性を制限する危険があります。

指導者や親が見た目の「キレイさ」にばかりこだわると、選手自身の個性や身体的特徴に合った動作を無視してしまうことがあるのです。

それが、慢性的な故障の原因になもなりかねます。
選手は自分に合ったフォームを見つけ、成長していく過程で徐々にそれを改善していく、またはうまく利用する。
それを、サポートするのことが必要です。

3. 指導者と親の視点のアップデートが必要

指導者や親自身の視点のアップデートが必要です。

従来の「キレイなフォーム」の固定観念から解放され、選手が自分に最も適した動作やフォームを追求する自由を与えるべきです。

特に、親が過去のスポーツ経験や指導者の意見に過度に影響されると、
子どもがスポーツを楽しむ自由が奪われることになります。

親もスポーツ科学や、現代の知識に基づいたサポートを行うことで、子どもたちはより自然に自分のスタイルを見つけられます。

一番怖いのは、昔からこうだから!やバレーボールの基礎はこうだから!

と言った認識で押し付けるということです。

バレーボールの基礎は科学的に解明されてる内容を超越するものですか?


■見た目ではなく、個々の最適を目指す指導へ

「キレイなフォーム」という概念がどれほど主観的なものであるかを再認識することが、選手を成長させるためには重要です。

見た目の美しさに囚われるのではなく、選手個々の最適な動きを見つける手助けをすることが、親や指導者に求められています。

スポーツ科学が発展した現代において、選手一人ひとりの体格や運動能力に合わせた柔軟な指導が以前よりも行いやすくなってます。

指導者も親も、最新の知識を学び続け、選手の個性を尊重する柔軟なアプローチを身につけることが不可欠なのではないでしょうか。

親や指導者が「キレイなフォーム」を押し付けるのではなく、
子ども自身が楽しみながら自分のスタイルを模索できる環境
を提供することが、長期的に見て最も重要なサポートとなります。


■まとめ~ポイント3つ~

  1. 「キレイなフォーム」は主観的
    見た目の美しさにとらわれず、個々の選手に最適なフォームを見つけることが重要。

  2. 指導者と親の知識のアップデートが必要
    古い固定観念を捨て、現代のスポーツ科学に基づいた指導とサポートが求められる。

  3. 個性を尊重した指導が選手の可能性を広げる
    画一的な型ではなく、選手一人ひとりの特性に合ったアプローチが成功の鍵。


■最後にもう一つ ~ここまで読んでくださった方へ~

もしお子さんが通ってる、バレーボールスクールなどで全員共通のフォーム練習が始まった場合。

ぜひ、指導者さんに聞いてみてください。

「なぜ、全員に同じ動きをさせる必要があるのですか?」と。

指導者への意地悪ではなく、このような記事の内容を理解した上で指導しているかどうかの確認にもなります。

ポイントは「全員」というところです。

身体の構造を理解して、個々の動きに合わせた練習法やフォーム矯正をInstagramやYouTubeなどでアップしている指導者が少ないのが現実です。

"これさえやれば上達する!"と言うことを語って子どもたちにトレーニングを強いる指導者も多いのが事実です。

技術などの習得には10,000時間かかると言われてますが、そんなにすぐに
上達すると思いますか?
はっきり言います。

そんなものはございません。

中には、身体をテープで縛ったりゴムチューブで制限したりなど、やり方によっては身体の形の変形を矯正する指導もあります。

そんな矯正の理由は、指導者の好き嫌いや指導者が思ってるからという理由になってない理由でというのが多いです。
そういった内容に毅然と「間違ってます」と言えない、言わずに”いいね”がたくさんつきます。
考えたら怖い話です。

子どもは動きの天才です。
本来持って生まれた身体のバランスを壊すことになり非常の危険です。
お子さんの体を守るためにも、ぜひ知識をつけ確認してください。

また、なぜ、こうしたフォームにしてるのですか?と
質問をして"昔からの基礎だから"や”これが私は良いと思ってるのでやってます”など"答えにならない答えを返してくる指導者"

より、”こういった動きの癖があるので利用して、こうしてみましょう”や
”人の身体はこういった特徴があるのでこうしても良いですね”

具体的に個々のフォームを、理由を説明し提案してくれる指導者に見てもらうほうが良くないでしょうか?

フォームについての考えの幅が広がったと思います。
是非、指導者や親、そして選手も考えてみていただければ幸いです。


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