弁理士試験 口述試験の勉強法
1. 論文試験は終わった、さぁ、どうする?
論文試験の勉強法はもう1つの記事に書いたので、そちらを参考にしていただいて、論文試験の感想から。
1. 特実
とりあえず書ききったという印象。例年にも増して量多くない??
腕が疲れたんですけど…
2. 意匠
過去問と傾向が違う…1行問題無い。
この問題で差がつく?完成度勝負になりそう。
M先生の「意匠は答案の美的外観が求められる」を思い出す。
にしても、 設問2、特実ですよね?
3. 商標
4条1項7号?そんなものは知りません…
無効の抗弁書けなかった。3条1項3号を落としたのは痛い…
54点以下だろうな…
Lの速報会を見て商標法にダメージを食らいつつも
一応、M先生に見せることもあり、再現答案だけは翌日に書き上げる。
M先生の個別相談会を予約し、エルタワーに出向きM先生に再現答案だけ渡しておいて、あらかじめ採点だけしてもらったうえで、相談会に臨む。
採点していただいた内容が悪くなかったこともあり、相談会は30分のところ、15分で終了。口述の勉強をするかなということで、返金制度を利用して、昨年度に引き続きトータルサポートコースを申込み。論文シーケンス講座 一行問題対策編を通信的に受講してインプット対策とする。
一方で、アウトプット系の口述対策も何かしないとなーと思う。
ネットでは口述アドバンスを使って、受験生同士で問題を出し合うとよいという話がちょくちょく見られました。
でも、受験生の知り合いもいないし、個人的には受験生同士で問題を出し合っても、問題集と違う答えが出たときにうまく反応できないんじゃないかな…と思うこともあり(あくまでも個人の感想です。そんなことはないという意見もじゅうぶん承知です)、アウトプット系の講座で、8月からスタートする講座ないかなーとネットで検索。L水道橋の口述講座はインプットメインだしパス。
そこで見つけたのがTの真夏の松宮ゼミ。
無料ガイダンスあるし、とりあえず顔出してみようという気楽な気持ちでT渋谷校へ。
ガイダンスに行ってみると、なんと参加者2人…ゼミ生にはガイダンス参加不要とお伝えしていたとのこと。
ゼミの説明とともに、2人しかいないということで、1時間くらいほぼサシで問答をしていただく。これはいいぞ!!ということで、受講を即決定。
インプットはLのM先生、アウトプットはTの松宮ゼミという体制で口述勉強スタート。
2. 真夏の松宮ゼミ
あまり情報が出回っていないので、真夏の松宮ゼミ(以下、夏ゼミ)の紹介。
ゼミの内容としては、半分は今年の論文の復習。今年の論文では何が問われていたのか、そしてその問いに対してどうアプローチし、どのように回答すべきであったかを深く検討します。
先生の意図として、万一残念な結果となった場合、9月以降に深く考察をする時間は取れないことから、余裕のあるうちに最新の傾向と対策、自身ができなかったことの把握を済ませておくことが第一目的であるとのこと(と、私は受け取っています。まちがっていたらごめんなさい)
先生は「クサいものに蓋をしない」とよくおっしゃっていました。
なので、終わったことではあるし、論文は相対評価であるとわかっていても、論文の出来があまりよくないと思っていると、結構精神的なダメージを食らいます。
でも、そこでちゃんと見直す機会を設けておくと、万一の時もリスタートが切りやすいかなと思いました。
そして、もう半分は基本知識の確認+口述対策としての問答。
一人3分 or 5分の時間で先生からの質問に答えていくという形。予め範囲は決まっていますが、どれを回答するかはあみだくじ。もちろん、ほかの人が答えているときに、声には出さないけれども質問に答えていけるので、問答の訓練、特に過去問にないテーマの訓練になりました。
ゼミ終了後には、問答のテーマを配布くださったこともあり、そのテーマについての回答を自分で作成して、それを通勤時間や合間合間に見直すということもやっていました。
そして、松宮ゼミがありがたかったのは、先生がご厚意でやってくださっていたことであり、来年度も同様である確証はなく詳細は書けませんが、ゼミ終了後、論文合格後から口述試験当日まで伴走してくださったことです。
受験生に知り合いはいないし、口述対策、特にアウトプットに不安があるという方は、ぜひ受講を検討されてみてもよいと思います。
3. 論文合格後
論文はM先生の見立て通り、受かっていました。
(M先生の採点結果と、実際の採点結果にほとんど差がなかったことのほうがびっくり)
論文合格発表から口述試験までの3週間強、何をやったか以下に示します。
3.1 口述対策道場
Lの講座のうち、M先生の講座、N先生の講座は大体受講したと思います。
口述はほとんど受かるとはいえ、手を抜いたら落ちるということで、最後までしっかり情報取集のためにお金はかかりましたが、受講しました。
中でも、よかったなと思ったのは、M先生の1 on 1ですね。
もともと地方受験生向けの講座でしたが、道場受講時にM先生が「まだ空きがある」ということを話されていました。
30分1万円だったこともあり高いかなーと思いつつ、先生ご自身が30分以上やるからオトクとおっしゃっていたので受講を決意。受けてみて、やっぱり受けてよかったと思えました。申し訳ないと思うくらい一杯問答していただけました。過去問にはないテーマも含めて、全範囲問答してくださるので、自信につながりました。
3.2 模試
道場以外に、受験機関と会派の口述模試を受けました。
松宮先生からのアドバイスもあり、以下の5回口述模試を受けました。
受験機関
TAC (問題と予想問題集くれる)
LEC (問題は終了後くれる予想問題集から出題)
弁理士会派
PA会
弁ク (自分が当たったレーン以外の問題もくれる)
春秋会
春秋会は本番と同じ場所 (プリンスパークタワー東京、通称ラスボスタワー)で実施してくださることで有名かと思います。ラスボスタワー独特の雰囲気を知ることができるので非常に有用です。
個人的にR6の口述試験で一番受けててよかった~と思えるのはPA会です。
(決して、他のが受けなくていいと言っているわけではないです。念のため)
問題の解答や予想問題集をもらえるわけではないのですが、テーマがよかったです。
特実の査証制度、商標の5条に特化した問題 (模試は立体で、本試は色彩のみという差はありますが)が出ました。商標の担当の先生から「商標は審判のように広い範囲の問題も出るし、立体のみのようにピンポイントで聞いてくる問題もあるから気を付けましょう」と言われたのが本当に助かりました。
口述試験は「初めてその場で会う人と会話(問答)をする」ということで、自分の意見を貫くのではなく、相手が求めているものに合わせて回答する、また、口述試験ならではの「お作法」 (質問に対して一気に回答せずに小出しにするなど)の経験を複数回練習することができるということで、模試はなるべく多く受けることをお勧めします。
3.3 その他の勉強
これまでの記載を見ると過去問については、やってないんじゃないかと言われそうですが、問答という形式ではやっていませんでしたが、口述アドバンスを利用して勉強していました。1時間もあれば1科目10年分は回せるくらいまで半分答えを暗記しているレベルまでは持っていっていました。
加えて、PA会の模試でのアドバイスもあり、もともと苦手だった、出願系、特許法36条、意匠法6条、商標法5条について青本、短答講座資料を見直ししていました。
4. さいごに
私は口述1日目午後だったのですが、過去問にはない問題が連発だったので、ちゃんと+αの対策しておいてよかったなと試験中に思っていました。
やっぱり、過去問回すことに加えて、口述対策はまじめにやっておいたほうがいいですね。
脅すような言い方になってしまいますが、R6の口述試験は合格率が91%でしたので約10人に1人は落ちる試験でした。いろんな方が言われている通り、口述試験は弁理士試験の中で最も「アンフェア」な試験です。(受験日によって難易度が異なる、当たる試験官の差異などなど)
それでも何とか乗り切れるような対策・準備が必要だと思います。
正直、口述試験だけは二度と受けたくないですね…
S先生は終わった後、空が青かったと書かれていました。
私は、よくわからないまま終わり、横の公園でもらった法文をかばんに直すときの銀杏のニオイしか覚えていないです…それくらい必死でした。
ということで、口述の勉強方法の紹介でした。
何かの足しになれば幸いです。