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最後の感謝をもう一度

“私は時間が必要で、あなたは大事な人を失う経験が必要”

妻に言われたその一言は、正論で理にかなっている。
これまでの僕の行いや発言に疲弊している彼女の心は休息が必要である。
また、僕自身これまでに大事な人を失った経験がないという彼女の指摘も正しい。

と、ここまで書いてから約2週間が経過した。

自分の感情を整理をする為に書いているのにも関わらず、自分の感情がコロコロ毎日、それこそ毎時間と変わってしまい言語化することが出来なかったからだ。

某学者さんによると、人間が悲しみを乗り越える過程はざっくりと5つの段階に分けられているらしい。

否認・怒り・取引・抑うつ・受容

これがその5つ。
今だから言えるのが、恐らく僕はここ最近この”怒り”の段階にいたのかもしれない。

これまでの自分の事を棚に上げ、なぜ彼女は妻は離婚を選ぶのか。
そんな疑問とずっと格闘していた。

沢山考えた挙句、今重要なのはそういった自分の疑問への回答ではなく、彼女の意思と決断を尊重することだという考えに行き着いた。

彼女と出会ってから5年間、彼女への愛情は常にあった。
しかし、その感情を時に脆く、きちんと体現出来ていなかったのは事実。
むしろ、そんな時期があまりにも長く続いてしまったのが、今回の離婚の原因。

離婚という人生の大きな決断をした妻。
本来であれば、多くの人が経験する必要のない出来事である。
そんな一大決心をした妻は、本当に偉大で、今となってはどれだけ感謝をしても感謝しきれないと思っている。

妻が家を出てからのこの数ヶ月、心の中にポッカリと穴が開き、とてつもない罪悪感と日々向き合っている。

それでも、彼女がこの決断をしていなかったら、きっと僕は仕事のストレスで更に沼ってノイローゼになっていただろう。
ずっと気が滅入っていて、正直苦しくて苦しくてたまらなかった。
職場のストレスという外的要因から、強制的に僕を切り離してくれたことで、ある意味僕は我に返り、自分を取り戻すことが出来た。

勿論、今回の離婚に関して想うことは沢山ある。
自分の不安定な精神状態が本当に悔やまれるし、
出来ればもう一度ヨリを戻せないか。。。未だにその希望は心の中にある。
とは言え、その願望自体が今は稚拙。

これからお互いがどういう距離感になるのか、正直分からない。
それでも、妻の決断があったから我に返れて、また世界が明るく見えるようになったという事実に日々感謝をすることで、彼女への恩返しを出来ればなと胸に誓っている。

彼女なくして、今の自分はないのだから。

本当にありがとう。



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