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勝負を楽しめる服部七段と王鵬
2月22日の朝日新聞朝刊に、将棋の服部慎一郎七段のインタビューが掲載されていました。
「とにかく将棋を指せることがうれしくて、楽しくて、生きてるなと感じる」
服部七段はそんなふうにお話しされていました。将棋が好きで好きでたまらない、楽しくてわくわくが止まらないという様子がうかがえて、将棋には不識な私ですが読んでいて思わず笑顔になりました。
そう、そしてこのインタビューを読んで、頭に浮かんだのが令和7年大相撲初場所の王鵬関です。優勝決定戦を前にした花道では笑みを浮かべたように見えた王鵬。ご本人は敗れた後、「楽しい(気持ち)が勝っちゃって」と猛省していたと新聞記事にありました。
優勝決定戦を楽しめる王鵬。
ご本人は反省しきりで、勝負師として思うところありなのでしょうけど、私はこのヒリヒリする勝負の場をまるごと楽しめてしまう若武者のことがいっそう大好きになりました。
勝負の世界では「絶対に勝つ!」という強い思いがなければ、負けてしまうと思います。「決勝まで来たし、きょうは別にここで負けてもいいや、よくやった自分」と満足する気持ちが生まれてしまえば、その試合はほぼ負けると思います。
一方、どうしても勝たなければならない、負けられない、と硬くなると悪い方向にいくこともあります。優勝決定ともえ戦なんて、初めてのことなら、普通は緊張してガチガチになりそうなものですけどね。王鵬関は少なくともこのように硬くなることはなかった。
初場所で貴重な経験をして、楽しく、かつ、絶対勝つのは俺だ!が組み合わさる来場所以降、王鵬関がどこまで上がっていくのか、見る側の私はドキドキわくわくが止まりません。
服部七段も王鵬関も、いい顔してるんですよね。写真は2024年冬巡業で撮影しました。