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電車の中でネギ一本握りしめていても近くの乗客に今晩のおかずを推察されない王座決定戦#1
まずはじめに決勝へ進出した2組をご紹介いたします
「名刀正宗とまったく一緒の長さだったから」と
ぼそっととつぶやく
来週我が家にやってくるハムスターを上手に抱きしめれるよう 繊細な感覚を訓練してるように装う
決勝の名に恥じない2組が勝ち上がったことを嬉しく思います
それでは「名刀正宗とまったく一緒の長さだったから」と ぼそっとつぶやく の審査から入ります
まず電車内であることを考慮して小声で呟きながらも、しっかりと近くの乗客には聞こえる声量というプロの仕事が伺えます
その時点で「名刀正宗?名前は聞いたことはあったけど、、」
って思ってた近くの乗客はもうネギではなく刀に見えてきてるはずです
これまた小声で武将を2.3人チラつかせるのもさらに正宗度が上がって良いと思います
そして仕上げは、狭い電車内といえど刀を鞘から抜くかのごとく、ネギをとり一瞬だけ構えます
狭い電車内で一瞬という判断に良識を感じ、かつ、
十分すぎる「侍」を近くの乗客に植え付けてるところにこれまたプロの仕事が伺えます
もうこの時点で誰も献立を考える余地もなく目の前のお侍さんにしか気がいっていないことでしょう
次に
「来週我が家にやってくるハムスターを上手に抱きしめれるよう 繊細な感覚を訓練してるように装う」
の審査です
ネギをとても優しく優しく繊細に握っていることで近くの乗客に
「なんであの人は優しくネギを包み込んでいるんだ!とても貴重なネギなのか?」と思わせます
そして次のタイミングでネギを優しく繊細に握り直したり、いろんな角度で握り直したりを繰り返します
そうすることによって近くの乗客に
「もしかしたら何か繊細な訓練をしているのかも知れない?ネギは今晩のおかずではなく、その繊細な何かの代用品としてあるのかも知れない?」
と今晩のおかず感を薄めさせ
「なんだ?あんなにも繊細に扱わなければならないこととは?」と思いを巡らせてるところに
「来週から家族が増えるな〜」と誘い水をあげ
「生まれてくる赤ん坊」と「ハムスター」の2択にしぼらせます
そしてトドメにスマホを落とすフリをして待ち受けがとっとこハム太郎であることを近くの乗客に確認させ
「あ、この人は来週やってくるハムスターを大事に迎え入れれるようネギで訓練してたんだ」
と今晩のおかずを推察する余地を与えず
しっかりと家族思いの人として近くの乗客を少しだけハッピーにするところにプロの仕事が伺えます
以上、歴史に残る名勝負となりましたこの一戦
映えある優勝者は
「名刀正宗とまったく一緒の長さだったから」と
ぼそっととつぶやく
審査の決め手は「正宗」の完全にネギを忘れさせてくれてるところ 後者のハムスターとの明暗を分けた最大のポイントです