発語の遅れ
保育所や子育て支援拠点などで、言葉の遅れの相談を受けることが多くなりました。
10年前に比べると、相談を受ける数としては数倍になっているような気がします。特にコロナ以降増えているという実感があります。
特徴としては、大人の言っていることは理解できているのに、発話だけが特異的に遅れていることです。
また、あまり声を出さないなどの特徴もあります。
知的な遅れや、自閉的傾向もあまり見られません。その代わり、舌の使い方が下手です。
最初理由がわからなかったのですが、子育て支援拠点での親子の関わりを見ていると、なんとなくその理由がわかってきました。
一つには、口腔機能の発達が遅れているようです。そのため、言葉を発するために必要な口や喉の筋肉が上手に使えていないようです。また、舌を使うのも下手なことが多いようです。
二つは、お母さんが子どもの様子をよく見ていて、子どもの表情や仕草への応答性が良いことが挙げられます。
応答性が良いお母さんは、子どもが声に出して要求を示す前にその要求を叶えてしまうことが多いようです。
そのため、子どもは声を出して自分の要求をアピールすることが少なくなるようです。声を出してアピールしなくても、お母さんとアイコンタクトするだけで要求が叶えられてしまうことが多いようです。
ですから、すぐに要求を叶えてあげるのではなく、子どもがきちんと意思を表してから対応するように助言しています。
多分、お母さんの育児スキルが高すぎるのと、よく気づくことが原因のようです。
口の周りの筋肉を鍛えるために、シャボン玉をお勧めしています。
ストローではなく、シャボン玉リングで遊ぶことをお勧めします。
楽しく遊んでいるうちに、少しずつ鍛えられていく。
子どもにとって、楽しいが一番です。
ほとんどの子は、遅れを取り戻して普通に話せるようになっていきます。
心配な方は、以下のことを参考にしてください。
小児口腔機能発達不全症
小児期での『食べる』『飲み込む』『話す』『鼻で呼吸できる』などの口腔機能の発達・発育不足の状態は「口腔機能発達不全症」と診断され、その数が増えているそうです。
小児口腔機能発達不全症については、歯医者さんでトレーニングしてくれます。対応してくれる歯医者さんは、ホームページで調べられます。
簡単にできる対策としては、「あいうべ体操」などがあります。
ちなみに、私が関わっている保育所では、数年前から「あいうべ体操」をしています。
「あいうべ体操」は、福岡の歯医者さんが考案したお口と舌の体操です。
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