#63_「今」と学びを繋ぐ

中1理科「地震」の単元の最後は、地震の災害から自分たちの身を守るための知見を身につけることを目的としている。

「隆起」「沈降」という、聞いたことがあるような、イメージが湧きにくい言葉も出てくる。

今年1月の能登半島地震では、かなり大きな隆起が起こった。
これを活用しない手はない。

https://mainichi.jp/graphs/20240106/mpj/00m/040/137000f/20240106mpj00m040136000p

「隆起」という言葉を押さえたあと、簡単に現象を説明した。
「”隆起”って何かかっこいい!」なんて言ってる子もいた。
「実は、今回の能登半島地震でもこんなことが起こってるんだよね。ニュースで見た?」と前振りをして、バンキシャ!のニュースの動画を流した。

子どもたちの表情は、みるみる変わっていった。
露呈した海底。
15㎞にわたる隆起。
高さは4m。
「校庭が、2階の3年生の教室まで上がったってことだよ。」と伝えると、言葉を失う子どももいた。
今回の隆起は、6000年に一度と呼ばれる大きなもので、過去に能登半とで起こった隆起(2~3mを3回)と比べて一番大きいという。

教科書ではさらっと書かれている熟語を、生活の具体と繋げることで、生きた知識にする。

ただ、そのあと「沈降」を扱ったんだけど、言葉の響きだけでちょっとにやついちゃってる子がいた。
このあたりが、まだまだ中学生・・・。

願わくば、大きな震災が起こらないことを願うけど、日本に住む限りそれは難しい。
せめて、大きな震災が起こったときに、言葉から悲惨なリアルを想像できるひとになってほしい。
そして、そんな状況の相手の痛みを感じ、寄り添える人になってほしい。
今できるありったけの思いを込めた、そんな単元の学習。

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