#202_学び直しを支える

目の前の子どもたちは、発達段階を飛び越えた子どもたちだ。

中1の担任をしている。
男子は互いにじゃれ合っている子が多い。
いつもくっついている。
小学校低学年の子どもたちを見ているようだ。

女子は互いに様子を窺っている。
まるで牽制し合うように。
マスクで隠した表情を探るように。

コロナ禍前の子どもたちの姿とは明らかに異なる姿がそこにあった。
4月の子どもたち。

この学年がコロナ禍に遭い、ソーシャルディスタンスの名の下に無理矢理引き剥がされたのは小2の頃のこと。
一番くっつきたくて
一番愛情かけて見てほしくて
一番エネルギー溢れる時期に、引き剥がされた。

その代償の大きさをひしひしと感じている。

「一つの目標に向かって一丸となって頑張る」感覚なんてわからない。
人と触れ合うことで伝わってくるぬくもり、どこまで知っているのだろうか。
それなのに「心を一つに」なんて、何て乱暴な言葉だろうと思ってしまう。

無理にくっつけようとしても、拒絶するだけ。
少しずつ、少しずつ
時間をかけて、集団を醸成してきたつもり。

毎日少しずつ
人と繋がる価値を
人から伝わる温もりを
人だから感じられる暖かさを

伝えてきたつもり。

今、その芽が少しずつ芽吹いているように感じている。

強い絆で繋がる人間関係なんて、幻想に近い
学校という閉ざされた空間ではできるかもしれないけど
社会に出たらそれは、絶望に変わる可能性もある。

目指すのは、そこではなくて
その子自身が、人と繋がる価値を感じられること。
その子自身が人を欲するようになること。
1人だけとの繋がりではなく、複数の人たちとの繋がりを求めるようになること。

今強く繋がっている子と、ずっと一緒にはいられないから
多様な人たちと、緩く、でも確かに繋がり
その繋がりを継続する術を
子どもたちには身につけてほしい。

そのためには、自分自身の価値を高めることも必要。

大切なのは今じゃないけど
未来は今が創るものだから

子どもたちに、確かな生きていく力をつけたい。
人に愛される人を育てたい。
人と繋がることで
人生はこんなに豊かになるんだって感じられる心を育みたい。

幸せのつくりかたは人それぞれだけど
人に愛されることは、強力な武器になるんだって
人に大事にされることってこんなに心地いいんだって
感じられる経験を、積み重ねてほしいんだ。

未来を創るのは
今。

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