#145_保護者対応の勘所④~ケース別保護者対応②~
お読みくださり、ありがとうございます。
#142_保護者対応の勘所①~保護者は子どもを育てる同志である~|せっちー (note.com)からの連続シリーズ第三弾。
前回に引き続き、ケース別対応について実体験をもとに書いていきます。
今回はケース2、「うちの子は違うこと言ってます」です。
ケース2 「先生、うちの子は違うこと言ってます」と自分の子どもの話だけを鵜呑みにする
これもよくあるケースです。
学校に行く機会も自分の子ども以外の子どもと接する機会も少なくなった今、「他の子ども」自体が見えにくくなっています。
(だからこそ、授業参観が大切!!#144_保護者対応の勘所③~ケース別保護者対応①~|せっちー (note.com)の(1)まずは聞いてもらう土壌づくりから をご覧ください。)
(1)「普段からあなたのお子さんの話をよく聞いていますよ」というメッセージを
会話のなかで、日常生活の中でのその子のちょっとしたエピソードを挟むと効果的です。
例えば
「給食でカレーが出たときだけは、いつも一番におかわりにくるんですよね。〇〇さん、カレー大好きですよね。わたしもカレー好きだからよく話すんですよ。」
なんて給食エピソードをはさむ。
「学校での具体的な事実」+「その子の嗜好」+「自分のプラスの感情」がセットだと伝わりやすくなります。
① 日頃から見ていること
② 好きなものやことを把握していること
③ ①②に対して好意を抱いていること
これを早い段階で伝えることが大切です。
(2)複数の教員で対応し、必要に応じて対応してもらう
生徒指導は事前指導・複数指導が鉄則。
まずは話を聞いた体制と、両者から話を聞いたことを説明した上で内容に入ります。
「(両者の意見が合致した)ゆるぎない事実」と「(意見が合致しなかった)不明点」に分けて説明。
説明だけだと味気なくなるので、わたしは対話を挟むようにしています。
「〇〇さん、学校ではこんなことを言っていたのですが、おうちでの表情はいかがですか。」「そのときは落ち込んでいるように感じたんですよね。」
家庭での表情や言動を聞きながら、心配していること、よりよくなってほしいという願いが伝わるように話します。
あなたがまだ年齢的に若く、どうしても伝わらないようだったら、「一緒にお話きいた〇〇先生にも説明いただきますね。」等と、ベテランの先生に説明してもらうのも一つの方法です。
(3)保護者の方の不満の根源を探る
今回の件だけではなく、日常指導のなかで蓄積した不満が、このような保護者の方の姿をつくり出している場合があります。
この場合、過去の対応や指導に何らかの原因があった可能性があります。
(どんなに寄り添っても、わかり合うのが難しい方がいるのも事実ですが・・・。)
会話の中で、その原因を探りましょう。
また、過去の別の先生の指導が原因で、学校不信に陥っている場合もあります。
過去の話がでてきた場合は、共感するのではなく受容することが大切です。
「かつてそんなことがあったんですね。」
「そこでお話が受け容れらていないと感じたのですね。」
等と保護者の方から出てきた話をそのまま返します。
自分の感想や思いや極力入れずに話します。
難しかったら「オウム返し」で十分です。
保護者の方に蓄積された不満という膿を出さないと、こちらの声は心に届きません。
(4)どうしても食い違いがあるようなら、明日の指導に持ち越す
たいていの場合、十分な聞き取りができてから連絡することが多いですが、どうもまだ出ていない事実がある場合は、焦らず翌日改めて生徒指導の場を設けましょう。
記憶が新しいうちがベストです。
極力早めに手を打ちましょう。
ここでも複数対応が原則です。
ここでも大切なのは信頼関係です。
保護者の方から、過去の実績をもとにつくられる「信用」ではなく、相手に未来を委ねられると確信できる「信頼」を獲得すること。
これが子どもたちの成長にも繋がります。
保護者の方が見方になると、教育効果もぐんと上がります。
誠意をもって接し、信頼を獲得しましょう!