#171_小学校教科担任制の是非を考える
令和3年7月「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方に関する検討会議」以降、小学校における教科担任制の導入が推し進められています。
今年5月には、中央審議会特別部会にて小学校3・4年生への拡大に関する審議がとりまとめられました。
働き方改革も後押しして、この動きはますます強くなるでしょう。
発達段階と小中接続の課題、働き手が少なくなっているという現実から、義務教育学校もますます増えると考えています。
いずれにしても、学校を「卒業まで生活する場」ではなく「共に社会を創る人が育つ場」という認識に変換すること、子どもたちが今も卒業後の未来も幸せな人生を歩める力をつけられるような環境をつくることが必要です。
中学校教員が小学校の学びの内情を知りそのレディネスを生かした関わりをもつことは、子どもの未来の幸せに繋がる必要条件だと考えています。
小学校の先生にとっても、中学校での子どもたちの学びの姿を知ることは、子どもの未来のつまずきを予知して予防策を打つ大きなヒントになるはずです。
科学技術の発達とサービスの細分化・商品化により、人と関わらなくても生きていけるようになってしまった現代だからこそ、シングルエイジや10代で、多様な人と関わり温かさを感じる時間を積み重ねることが、子どもたちにとって何よりも価値ある財産となる。
「小学校→中学校」という社会のシステムと互いの情報不足が原因で、不幸になる子どもを生み出したくない。
接続がうまくいけば、もっともっと子どもたちの未来もわたしたちの未来も明るいものになります。
教え子たちが立派に成長し、社会で頑張っている姿を目の当たりにする今だからこそ、感じる思いなのかもしれません。
子どもは必ず大人になる。
今の教育が10年後、20年後の未来を創る。
わたしたち自身の未来をつくるのが、教育という仕事なのです。