見出し画像

この世にあふれる能力主義が怖い

みなさんこんにちは、くるみこです。

休職してから、能力主義って怖いなと考えるようになりました。

それまでは「あの人は仕事できる」とか「あの人は仕事できない」と平気で人をジャッジしたり、自分の中で評価したりしてしまっていました。

でも、自分が休職する立場になった時、自分が他人に向けていたそれらの言葉が、全てブーメランになって返ってきました。
「こんなに社会の役に立ってない自分、生きてる意味あるんだろうか」と苦しむ日々…

苦しすぎて、結果的に自分の中で発想の転換が起こりました。

「役に立つとか立たないとか、そういう能力主義とか二元論で考えるのって、誰も救われないな。どんな人間にだって存在している価値がある」
と、昔の自分では考えられないような思考を持つようになりました。


一年ほど前に買っていて、寝かしてしまっていた本を久しぶりに読み始めたら、ちょうど能力主義に関して色々と書いてあり、とても面白かったです。

これは、今の職場の読書家の後輩がおすすめしてくれた本です。

僕たちは、つい目先のせまい視野で良し悪しを判断してしまう。
本当はもっと広い視野でものを見られるのに、一度「役に立たない」と判断してしまうと、秘めた可能性になんか目もくれず、簡単に見捨てたり切り捨てたりする。すぐに思考が停まってしまう。

冒険の書

「役に立つか立たないか」という判断基準も、結局はこの世に無数とある価値観やものさしの一つでしかありません。

にも関わらず、我々はそれを絶対的なものと考えてしまう傾向があるように思います。
この本にも記載ありますが、テストとか評価とか、そういう学生時代に当たり前に行われてきたことから生じる刷り込みが、とても大きかったように思います。

大人になって気づきましたが、学校も親も、本当に大事なことは一つも教えてくれませんね?!
テストでいい点数を取る方法よりも、幸せに生きていくために必要なことを教えてほしかった。

「この社会は、『能力』を高める努力をしない人を責める。
自分より能力が上の人たちをうらやましく思い、自分より能力が下の人たちをさげすみ、自分と同列の人たちに『ぬけがけは許さない』とプレッシャーをかける。
いつも誰かの評価にビクビクしながら生きないといけないきゅうくつな社会。
そんなギスギスした社会は嫌じゃない?』

冒険の書

い、いやだー。

じゃあどうしたらいいの?と感じられるかと思いますが、
ー"thinking outside the box"(箱の外、型にはまらない考え方をする)
ーAppreciation(感謝する・存在を認める)
このふたつが大事だと、本を読んで解釈しました。

私たちは無意識のうちに「常識」という箱の中にいるので、まず「自分たちは箱の中にいる」と気づくこと。
そしてその箱から出て外を眺めてみること。

冒険の書

私は海外旅行、特に途上国が好きなのですが、箱の外に出ることが出来るからなんだろうなあ、と本を読みながら感じました。

世界はひとつではない。
日本の常識、世界の非常識。
会社の常識、社会の非常識。
(転職してひしひしと感じました…)

海外に行くと、日本の当たり前や常識、ものさしが全てではないと思えて、気持ちが楽になります。

「アプリシエーション」とは、なにかにふれて、わきあがった感情とその感情が生まれるプロセスすべてを指し示す言葉であり、ただそれが「ある(在る)」ということがいかに「ありがたい(在り難い)」ことかという点に意識を向けた態度だと言えるでしょう。

冒険の書

良いとか悪いとか、出来るとか出来ないとか、ジャッジせずに、ただそこに在るものの存在を認め、受け止め、感謝する。

あらゆる人に対して、みんながこう思うことができたら、とても生きやすい社会になるだろうなあ。


すごいなと思うのが、この本を書いているのは、東京大学を卒業し、事業でも成功を収めている、能力主義のトップオブトップの方ということです。

能力主義の世界で、これだけ成功を収めたら、よりその考えが強固になっていきそうなのに、このように考えるようになった背景が気になります。



能力主義関係でいうと、こちらの本もとても面白いので、またの機会に紹介したいです。


最後に、村上春樹の旅行記のフレーズを紹介したいと思います。

それらの風景が具体的に何かの役に立つことになるのか、ならないのか、それはまだわからない。
結局のところたいした役には立たないまま、ただの思い出として終わってしまうのかもしれない。
しかしそもそも、それが旅というものではないか。
それが人生というものではないか。

ラオスにいったい何があるというんですか?

役に立つとか立たないとかはどうでもいい。

ただ、自分が楽しいと思えることや、心が満たされること、これからの人生を生きる上で糧になるような思い出の一ページを、毎日つくっていけたら、きっとそれが素敵な人生なのではないかと思います。


いいなと思ったら応援しよう!