地域の宝と言われる球団を!
地方都市でプロ球団が「成功」するってどういう状態でしょうか。
ひとつの事例はプロ野球・広島カープだと思います。
地元の老若男女みんながカープを愛し、レプリカユニフォームを着て球場に足を運び、テレビ放映を視聴し、地元企業は色んな形でこの球団を利用しそして助ける関係にある。
広島県出身者の多くは、日本中いや世界のどこにいても寝る前には「今日、カープ勝った?」と確認する。勝てば喜び、負ければ「しっかりせえ!」と気合を入れる。いずれにしろ熱い。
どこの球団でもコアなファンはいると思います。これが「町全体」ましてや「県全体」となっているのはなかなかないのでは? そこがカープのすごいところです。もう、なんていうか、広島県人の「プライド」であり「アイデンティティー」なんですよね。
最近の、J1・川崎フロンターレはそれに近い、いやある意味それ以上の勢いを感じますね。ワールドカップで多くの「出身者」が活躍したように、チームが地域の人たちの心をひとつにし、地域の人たちの思いがチームを強くし、良い選手をたくさん生む。そしてそれがまた、地域のプライドとなっていく!本当に素晴らしい循環が生まれていると思います。
しかし、もちろん、カープだってフロンターレだってここまで来るには、本当に色んな紆余曲折があったはずです。ローマは一日にして成らず。でも、この2チームを見ていると、方法論は違えど「地域を巻き込む」という強い信念が感じられます。そしてそのためには「反対意見があったらやめる、ではなく、それでもやり続けてわかってもらう!」という気迫が感じられます。両球団とも「面白いこと」が好きなんですよね!「いじり」や「ダジャレ」など、反対意見がないはずない、普通の球団だったらそんなアイディアが出てもどこかで「潰されてる」であろうことを、大胆にやり続けています!そしてそこに「球団のカラー」が見事に生まれています。
さて、私たちが「いつでも、誰でも、気楽に楽しめるボランティア」によって地域の人を一人でも多く巻き込むことを目指し協働している、福島ファイヤーボンズはどうでしょうか。
これまで今シーズン約3ヶ月、ともにやらせていただいた中で感じているのは、本当に真摯に私たちボランティアの声を聞いてくれるということです。何でも変更してくれるという意味ではありません。聞く姿勢があり、もし対応できないとしてもちゃんと説明してくれるのです。これは人として、素晴らしい姿勢だといつも感謝しています。
特に今週の試合では、朝のボランティアミーティングに多くのスタッフが参加してくださり、一気に親しみやすさが倍増!、ボランティアのやる気も増し増し!となりました。ありがとうございます!
ファイヤーボンズのボランティアは、基本的な拘束時間が約7時間、チケットもぎりやチラシ配布、会場案内、サーモカメラ、入場口関係、モッパーなどの役割分担が、毎回同じにならないようにと配慮されて割り振られます。休憩はトータル1時間ほどあり、活動に余裕があれば応援もして良いと言われています。お弁当と、シーズン中使える2階自由席のチケット1枚が支給されます。
ルーターズ会員を中心としたさまざまな世代の大人と高校生が一緒に活動している日が多いです。日による人数の凸凹はあるので、アルバイトで調整してくれています。
ただ、ずっと解決していないのが「応援」です。
おそらくどの競技においても、「ボランティアは応援をしない」がスタンダードではないでしょうか。なぜか「ボランティア=真面目」「ボランティア=スタッフ同様の態度が求められる」となっているのですよね!
私たちはそこをなんとか変えたいと思っています。もちろん、真面目が悪いといっているわけではありません。ただ、それではボランティアが続かないし、増えないのです。(福島だけ?)
スポーツで地域が元気になるには、一人でも多くの人がそのチームに関わることが大事だと思います。観客となって試合に足を運ぶのは一番わかりやすくありがたいことですが、ボランティアという方法もあります。試合の運営を無償でささえることは、巡り巡って小さな地域貢献となっているはずです。
でも現実は・・・。社会のボランティアに対する理解はまだ深くありません。だから、単調なボランティア活動の中でやりがいや喜びを見つけるのはそう簡単ではありません。「こんにちは」と声をかけてもスルーされた時、やることがないのにただ立ち続けている時、溢れかえったゴミを始末している時、ふと無力感に襲われたりするわけです。だから私は、ルーターズ事務局長として、ファイヤーボンズに伝えています。
「アルバイトで来た学生や、観客として観戦に来た人が、今度はボランティアやってみようかな?とチラっとでも思えるような瞬間を作りたい。それが、地域を巻き込む小さな一歩になるかもしれないので!」
「時間がある時は応援させてください。なぜボランティアが応援なんか、って声があったら、ボランティアは無償でチームをささえてくれているので余裕がある時は応援してもらいたいのです、と正々堂々答えてほしい。応援は最もチームや観客と一体となれる最高の喜びです。」
本当は、全然「正解」が見えているわけではないのです。応援も、全ボランティアがしたいことではないと思います。でも、何かを変えることで、一人でも多くの人がボランティアにチャレンジする土壌ができるなら、やっぱりやらなきゃな、と思っています。
ボランティアの仲間と、ファイヤーボンズと、ブースターさんと、地域の皆さんと、みんなで一緒に「新しいボランティアのスタイル」を福島で作っていきたいものです。