
なんか嬉しかったので、やっぱり書いておく。
先週、用があって大阪まで出た。
屋外から地下鉄の構内に通じるエレベーターを待っていると、あとから車椅子に乗った若い女の子が来て私の後ろに並んだ。
週末だし観光地も近かったので、その日はけっこうな人出で、私たちの前にも何人かの人やベビーカーがエレベーターを待っていた。
車椅子の女の子は付き添いもなく、ひとりで車椅子を操作していたので「押そうか?」と声をかけると、
「あっ、大丈夫です。ありがとうございます!」
すごく可愛い、満面の笑みだ。
なんて笑顔よしさんなんだろうと私もニコニコしながら前を向くと、人とベビーカーを満載したエレベーターは私たちの前で扉を閉めて降りて行ってしまった。
あらら、乗りそこねた。
まあ、あそこに車椅子は無理だよねえ。
…すーん。
「寒いねえ〜。」
女の子の方を見ると、
「えっ、あ、ハイ。寒いです!」
やっぱり満面の笑み。
ムチャ可愛い。
再び上ってきたエレベーターに乗り込むと、私たちと一緒に乗り込んできたおじさんが、
「寒いなあ、これ食べ。」
と言って女の子にダイスチョコ何個かを渡している。
渡された女の子はやっぱりニコニコしながら、私に何個か分けてくれる。
おお、やったー。ありがとう!
エレベーターはあっという間に駅構内に到着して、
「気ィつけてな。」とおじさん。
「ハイ!」と笑顔よしさん。
誰もがちょっとだけ、誰かの間に合いたかった。
分けてもらったチョコを一個頬張りながら、やっぱりなんか嬉しかった。
そのあと待ち合わせしていた娘と落ち合って、「あんたチョコ食べる?まだ一個あるで。」
「チョコ?」
「さっきエレベーターの中で、知らんオッチャンからもろてん。」
「お母さん、何考えてんのいい年して。
そんなもん、なんで貰うかなあー!」
娘、プリプリ。
まあ、そうなるよね。
大阪のオバチャンはアメくれるけど、オッチャンはチョコくれるねんで。