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近畿大学 司書 【図書・図書館史】 試験問題と解答例 2024年4月入学


【問題】

図書・図書館史で学んだことをふまえて、あなたが想定する未来の図書館像について述べてください。

※問題文をスクショするのを忘れてしまったので、あやふやですがこのような問題文だったと思います。

【解答例】(秀100点)

 私が想定する近未来の図書館は、①誰もがどこでもいつでもアクセスできる図書館、②情報リテラシー格差を是正できる図書館、③情報の伝達・交換による交流ができるコミュニティセンターとしての図書館を挙げる。ここでは、そのような考えに至った理由としての西洋および東洋の図書館の変化と想定する未来の図書館像について述べる。

1. 西洋および東洋の図書館の変化
 今後の図書館を予測する上で、これまでの図書館の資料の充実度と利用者層という観点での変化に着目する必要がある。
 古代から中世にかけては資料の量が少なく、資料にアクセスできる層が限られていた。 記録媒体が西洋では粘度版やパピルスなど、大量に記録・保存することが困難であり、紙が開発された中国から西洋よりも早く伝来した日本においても、紙は高価であった。また、洋を問わず、資料には修道院や寺院などで宗教に関連した内容が多く、宗教関係者によって書き写されていた。西洋の王侯貴族や日本の幕府関係者による図書館や文庫もあったものの、これも政治や宗教に関連する資料で僧侶や王侯貴族・政治関係者の利用に限られていた。
 近世になり、西洋では製紙法の伝来と活版印刷術の発明により、図書が安価に生産されて大衆に読まれるようになり、日本でも幕藩体制下で町人文化が栄えて文庫や寺子屋が発達し、 庶民にも図書を読むことが広がっていった。
 近代以降の西洋では公共図書館が設立されはじめ、図書館協会が各国で発足されるなど現代の公共図書館のサービスが発展していった。日本では明治・大正に西洋文化の流入により、図書館はできていたものの料金を徴収するなど現代の公共図書館よりも利用者は誰にでも開かれているとは言えず、実際の利用者は少なかった。戦時中の思想善導期間として統制をうけた後、戦後の図書館法の図書館無料の原則や中小レポートによって誰もが使える現代の公共図書館となった。現代の図書館は館種を超えた協力やMLA連携など、 より広く深く情報を得られる機関となってきている。
 図書・図書館史からわかることは、情報が記録として残り続け、誰でも情報にアクセスできるのは普通ではないということである。
 
 2.想定する未来の図書館像
 
①誰もがどこでもいつでもアクセスできる図書館
 現代の図書館は紆余曲折を経て、市民に開かれた図書館となった。それに加えて、情報技術の発達により、電子書籍の貸出やデジタルアーカイブ、オンラインによるレファレンスサービスなど実際に図書館に行かずに図書館サービスを受けられることが増えている。 今後は電子図書館や生成AIを有効に使うことで場所と時間にとらわれずにサービスを受けられるような図書館になっていくと予想する。
 
②情報リテラシー格差を是正できる図書館
 現代では情報を簡単に得ることができるが、情報があふれている状況でもある。フェイクニュースなどの虚偽情報が含まれていたり、情報リテラシー格差によって情報を正しく理解・活用できない人もいる。情報技術の発達スピードは速くなっており、ついてこれない人が有効な情報にアクセスできなくなるような人も出てくると予想する。図書館は誰にでも開かれ、知る権利を保障する機関として、情報リテラシーを重視した利用教育を施す ことが求められているし、実現させるべきと思っている。
 
③情報の伝達・交換による交流ができるコミュニティセンターとしての図書館
 先述した①にも関連するが、オンライン上でできることが増えたからこそ、地域のコミュニティセンターとして、老若男女・様々な背景を持つ人たちが、その場で直接的なコミュニケーション交流を図ることは、重要であると考える。人との直接的な交流が減っている現代においては、直接的な交流は貴重となっており、対面で会える場という需要が増えていくのではないかと考える。

【感想】

レポートでは西洋の歴史をまとめたので、日本史が出たらどうしようと思っていましたが、ざっくりとした歴史を書くだけで済んだので、自分で作成したレポート文に日本史を少し加えるだけで済みました。

また、想定する未来の図書館もこの科目や他の科目のレポートで書いた文をいれたので、それほど苦ではありませんでした。ただ、時間はギリギリで焦りました。

試験日は6月16日で初めて試験を受けた日でしたが、結果は秀 100点と嬉しかったです。歴史はもともと好きで、試験の手ごたえもあったので安心しました。


※注意
解答の丸写しはしないようにお願いいたします。
皆さんの参考になれば幸いです。

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