6500万人いる日本のサラリーマンのなかで、自分の「市場価値」を高めるカギとは?
市場価値とは、今の会社の価値ではなく、世の中から見た自分の価値のことを指します。
簡単に言うと、「いくらならあなたを買いたいと思ってくれる人がいるか」が市場価値です。
市場価値が高いメリットは、自由が与えられることです。
好きな時に仕事を辞めることができるし、好きなところで働くことができます。
名著「転職の思考法」では、市場価値を測るためには、三つの要素のかけ算で決まると主張しています。
技術資産…職種に紐づく「専門性」・職種に紐づかない「経験」
人的資産…人脈、あなただから動いてくれる人がどれだけいるか
業界の生産性…一人当たりが生み出す価値、給料の原資になる
これだけだと理解がしづらい人向けに、具体的な人間として言い換えています。
どんな会社からも必要とされる、高い技術力を持った人間
どんな人間とも仲良くなれ、可愛がられる力を持った人間
とくに才能がなくても、安定して高い給与をもらい続けられる人間
市場価値について理解できたと思うので、次に市場価値が低い人の特徴を解説します。
転職の市場価値が低い・ない人の特徴5選
市場価値が低い人には、以下の特徴があります。
・自己分析ができてない
・組織を見て仕事をしている
・キャリアアップや転職を考えていない
・市場価値を気持ち悪いと思い込んでいる
・頼ってくれる人が少ない
順番に解説します。
自己分析ができてない
「自分にはできることが限られている」「大した能力もない」と言う人は、自分の価値を正しく把握していません。
市場価値は、目に見えないものです。
自分で専門性やスキルを見える化して、何ができる人なのかを理解することが重要です。
価値が高い自分だけの強みを見つける必要があります。
自己分析ができない人は、手軽に診断できる無料の自己分析ツールを使いましょう。
組織を見て仕事をしている
市場価値が低い人の特徴として、組織を見て仕事をしているケースがあります。
具体的には、特定の意思決定者の価値観を意識してプレゼンテーションをしたり、時にはおべっかを使ったりします。
しかし、一度組織を離れるとそれらの「根回し力」を一から築き上げる必要があります。
上司の顔色を見て仕事をしているだけの人と、市場からのダイレクトな評価にさらされて生きる人とでは圧倒的に差が生まれます。
キャリアアップや転職を考えていない
「一生今の会社でいいや」「仮に転職したとしても似たような仕事に転職しよう」と考えている人は、危険な状態です。
なぜなら、同業種同職種に転職する場合、年収アップしたとしてもせいぜい50万円程度です。
業界の生産性が高い会社に転職したり、市場価値が高いスキルを身に着けたりしないと、大幅な年収アップは難しくなります。
キャリアアップや転職を考えていないと、ジリ貧となって、市場で評価されない人間になってしまいます。
市場価値を気持ち悪いと思い込んでいる
「市場価値なんてない、気持ち悪い考え方だ」と遠ざける人は、認識を誤っています。
市場価値とは、市場から直接下される、より現実に近い評価です。
今の会社や仕事が一生安泰の保証はありません。
かつては、既得権益や競合性の低さで私腹を得ていた業界も、規制によって打撃を受けることがあります。
最近では、一生安泰と思われた携帯キャリアが、格安SIMの登場や料金引き下げ命令によって利益を大きく減らしています。
市場を見ておかないと、自分が海原に放り出されたときに苦労しますよ。
頼ってくれる人が少ない
市場価値が低い人は、「あなただから頼みたい」と仕事をお願いしてくれる人が少ない状況です。
取引先と関係性を築けていたとしても、「○○商事と取引をしたいから」と、あなたではなく会社と取引したいというのが向こうの本音かもしれません。
逆に、転職して会社を変えたとしても仕事をくれる人や自分だから動いてくれる人が多い状態は市場価値が高い状態と言えます。
つまりは、あなただからお願いしたと言われるような仕事をすることが大切です。
以上の5つに当てはまっているとしたら危険だと思ってください。
また、市場価値の低い人に共通して、
『何をしても同じ給料なら無駄に働かない方がいい』
というマインドをもっています。
「頑張って働いても上司に評価されないのであれば、与えられた給料以上の仕事はしないほうがいい」という意見も多くあります。
「給料以上の働きはしないほうがいい」
「早く帰って副業したほうがいい」
といった働き方に対する姿勢については、それぞれが自分で考えて取り組むことなので、違和感はありません。
しかし、「上司に評価されないから仕事をしない」というスタンスについては、少しもったいないなぁと感じています。
優秀なビジネスマンは普段の仕事の中で、市場からの評価、いわゆる「市場価値」というものを大切にしながら取り組んでいます。
多くのサラリーマンが気にしている「上司の評価」や「会社の評価」は、あくまで「今いる会社の物差し」における評価です。
例えば、社員が2万人いる会社であれば、その2万人の中における相対評価なわけです。
しかし、もっと視野を広げてみると、この日本という国には約420万社もの会社があり、そこで約6,530万人が働いています。
この6,530万人の中には、自分より仕事のできるサラリーマンが確実に存在するはずです。
すごく極端な話ですが、もしも明日、労働者全員が一斉に転職活動をするとなったらどうなるでしょうか。
転職活動では、自分より10倍も100倍も高い実績がある人と比べられたうえで、評価されることになるのです。
これくらいの視野から自分の立ち位置を考えていくと、市場から求められる人材=転職市場で評価される人材になることの重要性がわかると思います。
「市場評価」は生産性を高めることで上がる
けっして社内での評価に意味がないというわけではありませんが、それだけを基準にしていると、井の中の蛙になってしまう可能性があるのです。
「組織内での評価=世の中の評価」と考えるのは危険です。
実際に、社外に出たら今より年収が下がるというケースもよく聞きます。
会社からの評価は上司にゴマをすれば上がるかもしれませんが、市場からの評価はゴマすりでは上がりません。
もちろん、チャンスを掴むために必要なゴマすりはしたほうがいいと思いますが、あまり本質的ではないので、自分で自分の評価を上げる努力のほうが必要でしょう。
実際は、市場価値=自分の生産性の高さ、なので、
日頃の仕事の中で、自分の生産性を高める努力をして下さい。
そして、「自分の生産性」を高めるために必要なのは
「会社の業績を伸ばす本質を見極め、仕事の機会を利用して最大限の成果を出すこと」にほかなりません。
「もらった給料分しか働かない」は生産性を高めるチャンスを逃す
自分の生産性を高めることができる場は、おそらくどんな会社にでもあると思います。
しかし、その機会を得られるかどうかは、日頃の仕事への取り組み方で変わります。
自分の生産性を高める機会を獲得するには、「もらった給料分しか働かない」と決めつけるのではなく、自分の経験値を増せる機会であれば、率先してその仕事を取りに行く、という姿勢を持つことです。
折角自分の知見や経験値を増やせる機会があるのに、自ら逃してしまうのはとてももったいないです。
自分の生産性が高まれば、市場価値も上がっていくはずなので、その生産性を活かして高い報酬をもらう人材を目指して行ったほうが、将来的に高い報酬をもらうことができる人材になれるはずです。
また、生産性を高める機会を通じて、たくさん経験を積んだタイミングで、新しいキャリアとして転職なども掛け合わせれば、より一層自分の価値を伸ばすことができるようになります。
「まわりにいる人間がたいしたことない人ばかりだから、自分だけ頑張っても無駄だ」などと考えていると、いつの間にか自分まで、生産性の低い、たいしたことのないサラリーマンになってしまいます。
自分の働き方を周囲に合わせる必要はないので、会社のためだけでなく、自分自身のために働いた方が、長い目で自分のためになると思います。
もし、みなさんが市場価値の高いサラリーマンを目指すのであれば、目先の時給や年収にとらわれず、長い目で見て役立つ経験を得たり、自分の生産性を高めたりすることを意識しておくと良いと思いますよ。
市場価値を高める方法は転職
自分の市場価値を高めるためには、転職が最適な方法です。
市場価値を高めるために、資格を身に着けたり、ビジネススクールに通ったりするだけでは、価値は高まりません。
大切なことは、実際に市場に出て評価をもらって成長を続けることです。
しかし、一度の転職で理想的な職場に就くことは難しいのが現実です。
その場合、何度か転職を重ねることで必要な知識や技能を身に着け、希望する仕事に近づくことが大切です。
転職を何度か繰り返すうちに、他の人にはない経験が積みあがっていきます。
イメージとしては、RPGやすごろく感覚でキャリアを変えていくイメージです。
市場価値を高めたい人は、転職を真剣に考えて行動を起こしましょう。