水とゆらぎ
小学生の頃、親元を離れて船旅に1週間行ったことがある。
帰港する前、甲板の手すりから海をじーっと見つめていた。
「早く、早く、家に帰りたい」
その願望に近い想いが私の意識を家に運んだ。
私は、家の中にいた。
海のゆらゆら搖れる、ゆらぎを見つめながら、家の床の間の柱の前にいた。
同時に二人の自分がいる感覚だ。
驚くわけでもなく、ただその現象を受け入れていた。
大人になって、川に月明かりが当たり、ゆらゆら搖れる様子をみながら、このまま見続けて想いを強く持てば、スーっと別の世界に行けそうな感覚になった。
小学生の時も大人になってからも、共通するのは、「水」と「ゆらぎ」だ。
水とゆらぎ
どんな不思議なパワーがあるのだろう。