3/3−5(完)

あの日、あんでるせんで私は一人取り残された。

ネガティブさで覆われていた私は、異次元に行けなかった。

ルービックキューブを回収すると完全なスーパーマリオになるはずだった。
マリオの鼻を黄色にしたのは私だ。


マスターが隣の女性を指名し、「トランプの種類を覚えておいて」と言った。
私は隣の女性のトランプをチラ見して「J」を確認した。
しばらく後になって、マスターは隣の女性に
トランプは「K」でしょうと言った。
私は「違う」と思ったが、女性は「当たっています。(すごーい)」と言った。

え??!!
私の完全な見間違い??

あんでるせんで一番驚いたのはその瞬間だった。私の見間違えか、私が違うパラレルに行ってしまったのか。そのどれかだ。

考えてみれば、30年前にあんでるせんに行った時も、私一人だけ違ったように思う。
マスターに分厚いペーペーバックの中から単語を一つ選ぶように言われた。
本当ならマスターが私の頭の中を透視して、単語を当てるはずだった。
しかし、その時も私はいつものクセ(のようなもの)で頭の中をグルグル思考が巡っていた。
そのため、マスターは私の頭の中を透視することができず、私に「選んだ単語を僕に(テレパシーで)送って」と言わざるを得なかったのだと思う。

マスターにプレゼントしてもらうはずだったスプーンを当時なぜか断ってしまい(若かった)、今回のあんでるせんで無事ゲットできた。ところが、そのスプーンがなくなった。
いかにも不思議現象が起こったように思えるが、これはおそらく私が不注意で誤って捨ててしまっただけのことだと思う。


ただ、私の思考は読み辛いはずだ。
絶え間なくシューシューと何かが動き回っているような感じだと思う。
スプーンを買う時も、直前までフォークにするかどうかで迷っていた。
ESPカードが売り切れて買えず残念に思っていたので、同じような思いをする人が出ないよう後ろの人のことを考えようと思った。
女性はアクセサリーを掛けるのにフォークの方が人気があるはず。後ろの人のためにフォークを残そうと思った。
そういうこともあって直前の直前にスプーンを買うことを決めた。
マスターにスプーンを買うことを伝えると、あれ?といった感じでクビをかしげられた。
0コンマ何秒かでスーっと決断を変えたからだろう。

それはともかく、スプーンを買ったあとにマスターに「パワーをください」と言ってハグしてもらった。
腕に気を通してもらって、ゾワーとなったことや、ハグしてもらったこと。
とても優しいおじ様だったこと。
来るきっかけは、金目当てであったが、それ以上に得るものがあった。
瞑想するきっかけを与えてくれ、「感謝」することを思い出させてくれた。

有り難い。








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