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補足的説明:石塑粘土について

ここで使っている石塑粘土は(株)パジコの「アーチスタフォルモ」で、一連の石塑粘土の製品の中では、比較的柔らかくて本物の粘土に近い感触がある。

しかし、石塑粘土で「器的なもの」を作ることは、ほんとうは向いていないのではないかと思う。
本物の粘土に比べて、すぐに固くなるのが問題。
・本物の粘土なら1週間ぐらい置いておくと(適度な湿り気を与えたうえで)、ちょうどよい固さになって、手で変形もできると同時に、ヘラのようなものでサクサクと削ることもできて本当に加工がしやすい。(という粘土の長所、ありがたみということが逆にこの石塑粘土を使ってみて身にしみてわかった次第。)
・しかし石塑粘土は、1日で固くなって、削りにくい。彫刻刀で削れるということが宣伝文句であるが、器のようなものは大きすぎて、木彫のように一苦労で大変だ。
・固いから紙やすりで削る必要があって、確かに滑らかになるが、細かい粉塵が舞い上がって、いかにも体に悪そうなのだ。
・やはり、削るというより、貼り付けていく、フィギュアとかアクセサリーなどの加工に向いていると思う。
・本物の粘土と、石塑粘土の差は、ちょうど油絵具とアクリル絵具に似ていて、後者はともに速乾性があるので、即断即決が必要なのだ。
・また、本物の粘土に比べて、妙にバサバサしたところがあって、でこぼこを指でならそうとしても、粘土の融通性がないというか、動いてくれないので、修正がむつかしい。
・粘土での器造りの基本である、「ひも」を積み上げてくこともなかなかうまくいかない。完全に手びねりで上に伸ばしていくしかない。

・とまあ、いろいろ文句はつけたが、本物の陶芸のための練習と、模型作り、本物では出せない自由な発色は、なかなか意味があるとは思っています。
・「器」にこだわらずに、わけのわからない自由な形のオブジェを作ればいいのだ。

これも「器」だが、じつは石塑粘土を使った作品第1号がこれ。

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