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ピアサポートってなんだ? ~あなたのすぐそばに『専門職アレルギー』の特効薬~

私のプロフィールの後ろには精神保健福祉士のほかに、『思春期ピアカウンセラー』と『障害者ピアサポーター養成講座修了』というものが書かれているのですが、ぶっちゃけなんだこれ? ちょっと箔をつけたいからってテキトーにかいてるんじゃないの? と思っている方もいらっしゃるのではないかと思います。
ピアサポートという言葉自体、なじみがない方もいらっしゃるかもしれません。
今回の記事ではピアサポートってなんなのか、実際に私がピアサポートの会に参加したり運営に入ったりして感じたメリットデメリットなどをお伝えしていきます。


そもそもピアサポートとは

ピア(peer)とは、同じような立場や境遇、経験等を共にする人たちを表す言葉です。ピアサポート(peer support)とは、こうした共通項と対等性をもつ人同士(ピア)の支え合いを表す言葉です。たとえば、学校や職場の中で、学生同士・同僚同士、あるいは先輩と後輩との関係性の中で、お互いの経験を伝えあったり、わかちあうことも、ピアサポートの一つ です。

【厚生労働省】ピアサポートの活用を促進するための 事業者向けガイドラインhttps://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000654213.pdf

とまぁこんな感じで厚生労働省はおっしゃっております。簡単に言えば仲間同士の支え合いとか分かちあいということですね。
いわゆる女子会も『女性のピアサポート』と言えるでしょうし、同じ学校に通う学生同士で授業や部活の相談をし合うのも『学生のピアサポート』と言えます。
ピアサポートという言葉自体には障害者とか病気を持っている人同士の支え合いという意味合いは含まれていないのですが、身体障害者の自立生活運動から活動が広まったこともあり知的・発達・精神障害の分野でも定着しつつあります。
今回の私の記事では発達・精神障害分野のピアサポートを指します。
詳しくはこちらのテキストガイドや研修テキストがわかりやすいです。

また、ピアサポートをしていくのに特に資格は必要ないのですが、ここ最近『ピアサポート体制加算』というものが創設されその加算の要件には厚生労働省が創設した「障害者ピアサポート研修」を事業所管理者もしくは職員とピアサポーター希望者の双方が受けている必要があります。
↓ピアサポート体制加算について、詳しくはこちら

ピアサポートとの出会い

以前にも書きましたが私が一番しんどかったのは大学生の頃で、自殺未遂からの入院をきっかけに様々な人に助けていただくことになりました。
しかし、主治医の先生やスクールカウンセラーさん、支援機関の相談員さんなどにアドバイスをされても、(どうせ病気になったことないんだから私のつらさはわかんないでしょ! 死にたいとか思ったこともないくせに! いいよね~、安定した職があってごはん食べてぐっすり眠れるんだからさ!)と心の中でボロクソ言って全く聞く耳を持てなかったのです😇
私はこれを『専門職アレルギー』と勝手に呼んでいるのですが(笑)、こうなると非常に厄介です。
さらに私の場合はなまじ精神保健福祉士を取得したこともあり、相手が有資格者でないとなると(えぇ……私のほうが大学行って勉強してきたし知識あるよ……)と心の中で一方的に見下すという最悪な根性の持ち主になっていました😨
そんな時に大学の実習助手さんからピアサポートを行っているNPO団体を教えていただき、ピアカウンセリング会に参加させていただいたのがピアサポートとの出会いでした。

ピアサポートのメリット

やはり一番は病気によるしんどさを体感した人同士の話による、大きな安心感だと思います。
「眠剤飲んでも眠れない時どうしてる?」「学校や職場に合理的調整を求めたいけどわがままだと言われそうで怖い……」などなど、なかなか聞きづらい話に対し、実際の経験をもとに話していただけるのは本当にありがたかったです。
また、相手が医師や支援者となるとどうしても壁を感じるというか、支援する側・される側という上下関係が意識されるのですが、ピアサポートだと情報提供されるだけでなく自分も情報提供する側になるところが支え合いを感じてとてもよかったです。
まさにかゆいところに手が届く感じでした。

ピアサポートのデメリット

もちろん、ピアサポートはいいことばっかりというわけでもありません。
障害手帳や障害年金の等級からはじまり処方されてるお薬の種類や数・入院の有無や自殺未遂の回数で「こんなに私は大変なの!」とお互いにマウントを取り合ったり、「そんなんじゃ〇〇病じゃないよ!」と謎の主観を一方的に押し付けたり、せっかく勇気を出してピアカウンセリングで発言した参加者さんを意図した内容でなかったからと主催者が睨みつけるなんて場面に遭遇したこともありました💦
『発達障害・精神疾患のピアサポートグループ』とひとくくりにしても、それぞれ違う病名で薬も違う、入院したことがある人もない人もいる……。
当たり前ですがそれぞれ全然違う経験をしてきて考えも異なるひとりの人が集まっているのです。
(ピアだからってわかり合うの無理じゃない……?)と、私はピアサポートの限界を感じていました。
私の住んでいるところにはピアサポート団体がかなり少なく、他へ移動することも難しかったので余計に悩んでしまったところもあります。

わかり合えないからこそ

思えば日常生活での人間関係だってなかなかうまくいくものではないですよね。私はピアに過度な期待をしすぎていた部分もあったかもしれません。
ピアだからと甘えず、わかったつもりにならず、かといってわからないと投げ出さず……わかりたいと思う気持ちを持ち続けることが大切なのかなと私は考えました。
いま、ピアサポートの団体は各地に点在しており、対面だけでなくオンラインなど様々な形態があります。
それぞれ合う・合わないも大いにあるので、一度ダメだったからといって諦めずにまた別の自分に合いそうな団体を探してみるのもアリだと思います。
また、ココオルでもピアサポートは展開されていて、相談を投稿するだけでなくユーザーさん同士でコメントし合う姿が広がっています。
もしよかったら、ココオルにも遊びに来てくださいね😊

余談

おいおい、じゃあこの『思春期ピアカウンセラー』ってのはなんだよ、と思った方へ。メインは思春期の性に関すること(避妊・性感染症・デートDVなど)で、直接相談を受けたり中学高校大学でワークショップを開いたりしています。(たぶんまた別の記事で触れます、きっと……)
詳しくはこちらです↓

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