のらりくらり
あーあ。わたし気づいちゃってる。
みんなほんとは嘘つきだって。
大事であること、大事にすること、一緒にできる人はこんなに少ないの。
大事であること、重要であること、実は同じじゃないの。
ね、一緒くたにして、がんじがらめで、何もわかんないくせに。みんな。わたしも。
心の拠り所。そんなもの、あったらな。
いつか辿り着けるなんて、そんな夢のはなし。
つけ込む優しさ、入り浸らせる愚かさ。
ぜんぶそうだろ。そんなもんだって、愛情なんて呼ばれたりする。
あーあ。あーあ。
なまぬるい、あせ。
ひらがなって、わたしのこころのかたちをしてるきがする。
漢字が混じると、わたしの制御してる部分が見えてくる気がする。
溜息、嘆息、目まぐるしい世界。
愛情、と、欲求各種。
愛情、と、性欲、支配欲、庇護欲、被支配欲、加虐欲、被虐欲、知識欲、収集欲、等々。
瞼の頂点、まつ毛の先端、縁取るひかり。
耳の中の音楽は、わたしの心を揺らすことができるようになる。
希望はなんて、かんたんなんだ。
なんてかんたんに、絶望を損なう!またかよ!
結局わたしはのらりくらり。ふわふわ揺蕩うのが、お好みさ。
さいこうのせかいだね。
また歩きたくなっちゃった。
原点回帰の旅の途中。
立ち返りたい場所が、あるのなら。
逸る足取りを後悔したことは、まだないから。