25歩

誰かと一緒にいるのなら、間をとっていくべきなんだよ

あなたとわたしの間にある30歩の距離、お互い15歩ずつ歩いて近寄れたらいいね

でも、あなたが5歩までしか歩けないなら
わたしは25歩這いつくばってゆくだろう

誰かの呼吸のためにわたしは息を止める
あなたが息をするためにわたしは息を止める
止めたこともいつか忘れて
本当は何にもわからなくなりたい

辛くないことの方がもう少ない
みるみるうちになくなっていく立つ瀬

なにもかも辛いからそれを忘れたい
一呼吸のたび、喉元が締め付けられて
胸の奥がひしゃげてゆく
ぐちゃぐちゃになったものをなんとか広げたかったけど、そこまでしたい理由というのは、他力本願だけれど、自分だけの人生なんて、全然欲しくないのに、それが正しいみたいな顔で、押し付けられ続けてる

野菜は体にいいけれど、食べたくないと駄々をこねる子供なのかしら
食べさせてくれる大人がいることは
幸福なのだろうとは思うけれども
食べたくないという駄々を
わたしはいつになったら受け入れて貰えるんだろう

見捨てられることとセットでは無いと
感じられる日は生きてるうちに
くるんだろうか


そんなもの無いのかもしれない


絶望したい、あともう少し
全部終わらせるにはまだ足りない

まだまだ天秤に乗っているわたしのやりたいこと、反対側には切りつけられた出血の総量
まだまだ、足りなくて傾かないな
はやくどちらかに傾いて欲しい

傾けるために頑張ろうとしてたのにな
傾きかけると、縋りたくなる


もうとっくに1人では頑張れない
そんなやつに縋られても、迷惑なはなしだ
しずかにしずかに、終わっていくから
目を閉じてそれを待てればいいのに

もうどうせ全部辛いのだから、欲求のある場所にいたいけど、それは体に悪いんだぞと、わたしの後ろで声がする


じゃあ、どうすれば、いいんだ


正しいことが何か分からない
間違ってることもわからない
だから好きな場所に行きたい
好きな場所に行くためには
正しいことを選ばないといけないらしい
ぐるぐる回っていく、諸問題


どこかに逃げ出したい
行く宛は無い
行きたい場所も無い

わたしの欲望がわたしの諦観を
踏み越えてしまう
だけど諦観を踏んだ足では
歩けない道があるらしい

そんなの聞いてないよ

無駄な時間を過ごしたなと、
明確におもう一年と少し
あれさえ無ければもう少しマシだったのか?
汚された場所だけが増えてしまった

五里霧中の四面楚歌

誰かわたしと同じ目線で
わたしの気持ちを撫でて

もうつかれちゃったよ

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