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たくさんある商品ラインナップをどのように整理してきたか?-土湯温泉の旅館がブランディングに取り組むプロセス共有-

前回の初めて書いたnote記事は、たくさんの方から反響をいただきました。
本当にありがとうございます。

・源泉湯庵森山に行ってみたくなった
・従業員の皆さまで話し合われたとのことなので、森山さんには社員にも愛される企業なんですね

前回の記事でいただいたコメント

勇気を出してnote発信をしてみて良かった、と心から思いました。

本日も、ブランド課題を整理したプロジェクトの裏側をご紹介していきます。

商品ブランドが複数あることで、お客様を悩ませてしまっていた課題

源泉湯庵森山では新商品開発に力を入れてきました。

この10年で、たくさんの商品を開発してきました。

どれも想いを込めて開発し、育ててきた商品ブランドです。

お客様が喜んでもらいたい一心で、コロナ禍でも新しい商品を開発し続けてきました。

商品ブランドが増えたことによる課題

商品が増えていく中で、旅館に宿泊していただくお客様から、こんな質問をいただくことが増えてきました。

商品がたくさんあってわからないのですが、どの商品がオススメですか…?

この商品と、この商品の違いはなんですか…?

お客様からの言葉①

お客様に喜んでもらいたい…
と思い、たくさんの商品を開発してきたのですが…

商品ブランドが複数かつ複雑化したことで、お客様を迷わせてしまっている課題があることに気づきました。

さらに、旅館の事業をしながら、食のブランド開発を行い提供をしているため、下記のような質問もいただくことがありました。

この卵とプリンは、旅館と関係があるのですか?

お客様からの言葉②

課題を整理すると、
商品ラインナップの構造が「お客様が認識しずらい状態」になってしまっていた
のです。

さて、どうしようかと思い、ブランディングの書籍や記事で調べて解決策を考えていきました。

星野リゾートを参考にブランド構造を整理することに

私たちは旅館業を営んでいます。

旅館でブランドが上手なところと言えば星野リゾートです。

チームのメンバーと一緒に、星野リゾートのブランド戦略はどうなっているのかを研究していきました。

とても参考になった記事がこちらです。

星野リゾートでは「星野リゾート」をマスターブランド、「星のや」「リゾナーレ」「界」「OMO」「BEB」などの各施設を「サブブランド」と呼んでいる。現在は強力なマスターブランドの下に各サブブランドが連なる状態だが、ゆくゆくはこれらのサブブランドも個別にブランド力をつけ、“一人前”にすることが星野氏の目標だ

星野佳路のマーケティング革命 第3回 ブランドの正体は情報の束 星野リゾートのブランド戦略

星野リゾートは、旅館ブランドだけでも、星のや、リゾナーレ、界、OMO、BEBなど複数ラインをもっている中で、下記のような整理がされているとのことです。

星野リゾートのブランド構造を整理した図

ポイントは、星野リゾートという名前を「マスターブランド」とおいていることです。

会社を象徴するマスターブランドをつくることが大切

星野リゾートの分析から、複数の商品ブランドを整理する上で、
どの商品ブランドを軸にするか?
を考えることが大切だと学びました。

私たちにとって森山を象徴するマスターブランドはどれか?

この問いと向き合って、スタッフとも話し合いをしてきました。

ブランドの構造を整理し、軸となるブランドはどれかを明確にすることで、
お客様への伝え方に一貫性をもつことができることを理解できました。

私たちのマスターブランドはガンバ卵ショ

スタッフとも話し合う中で、私たちが自信をもって伝えられるのは、
私たちが世代を超えて守り続けてきたブランドである「ガンバ卵ショ」のメッセージであると再確認しました。

私たちの看板商品:ガンバ卵ショ(写真はお祝い事に使う、紅白ガンバ卵ショです)

前回の記事でも書きましたが、ガンバ卵ショには、私たちが大切にしてきたことが詰まっており、お客様にも自信を持って価値を伝えられる商品だと考えていたためです。


ガンバ卵ショのブランド価値を整理した図

ブランド構造を整理

下記のように、
1. コーポレート(会社)ブランド
2. マスター(核となる)ブランド
3. コア(中心となる)ブランド
の3つの分類で、自分たちのブランドを整理していきました。

整理したブランド構造の図

もう一度私たちの原点である「ガンバ卵ショ」を軸にお客様に価値を伝えていく方針をとることにしました。

気づき:大事なのはブランド全体に一貫性をもつこと

私たちに欠けていたのはブランドに一貫性を持つことでした。

そして、一貫性を持つためには、が必要です。

私たちが世代を超えて守り続けてきたブランドである「ガンバ卵ショ」を軸におくことで、
旅館・源泉・卵・プリンと、私たちだからこそもっている資源を線でつなぐことができるようになったと感じています。

これからも、トレンドではなく、自分たちの軸をもってお客様に価値を届けていきたいと考えています。

今回は複数ある事業・商品をどのように伝えるかの試行錯誤をしてきたブランディングプロジェクトの裏側についてお伝えいたしました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

noteでは、今後も福島・土湯温泉での仕事の裏側を発信していきたいと考えています。ぜひ感想やコメントなどもいただけたら嬉しいです。


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