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染色体問題と、新たな「怪文書」アマボクシング五輪存続危機!

 パリ五輪で女子ボクシングの「染色体問題」が世界的論争になっている。
 本来の論点はシンプルで、「2人の女子ボクサーに、不公平な肉体上の優位性があるかどうか」だ。優位性があるなら対応しなければならないし、優位性がないなら問題ない。しかし、オリンピックのボクシングは現在、まともな統治ができていないという前提がある。組織の腐敗で国際団体のIBA(国際ボクシング協会)は、IOC(国際オリンピック委員会)から資格をはく奪されているからだ。この問題を提起したのはIBAで、詳しく明かされていなかった女子2選手の「昨年、染色体問題で世界選手権を失格になった」ことを大会中に明かし、IOCへの攻撃材料にした。IOCも本来、前述の論点で回答するべきだったが、差別と人権という、競技の公平性とは別の観点を盾にしてしまい、むしろ世界中の論争を広げてしまった。IBAの組織腐敗については長年、IOCが放置してきた歴史も含めて見れば、そもそも、こういう状況を生み出したのは、選手ではなく、運営側の連中だということ。

 日本でもボクシングの統括団体には問題が起きており、先月号で「怪文書」がバラ撒かれた件を伝えたが、さらに新たな「怪文書」を入手、そこには発行者の実名も書かれていた。アマボクシングはなぜこうも問題ばかりが起きるのか。現時点ではロス五輪で実施競技に入っていないという危機的状況の中でのリポートだ。

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