見出し画像

12月8日(アジア太平洋戦争) 開戦日

序文

山本五十六海軍大将が企画・立案した、世紀の奇襲作戦「真珠湾攻撃」により、「アジア太平洋戦争」が開戦したのは、今からちょうど81年前の、年の暮れも迫った頃であった。
満洲経営、南方(仏領インドシナ、現在のベトナム)進駐等で孤立(米からの石油禁輸・経済制裁)を深めた我が国が、起死回生・現状打開を図って決行した作戦であったが、ハワイという戦略上重要な領土に不意打ちに近い攻撃を受けたアメリカの態度・国民感情をさらに悪化させ、ヨーロッパ戦線でも中立を保っていたアメリカの参戦の突端を招く結果となった。

連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」に見る、銃後の生活

昨年の今の時期、NHKラジオ英会話講座・ジャズ・和菓子・日米交流を題材とした朝ドラ「カムカムエブリバディ」が放送されていた。
英会話の習得により、家業のアパレルを海外進出させようとしていた、主人公の夫は戦死。大学生であったが、学徒動員の憂き目に遭ったのである。
遺された主人公は、いびりの激しい嫁ぎ先から飛び出し、女手一つで幼い我が子を育てる。実家(和菓子商)で定評のあった小豆餡の味を、勘と経験だけを頼りに、回転焼きを販売することによって。
その行商中の交通事故で、同じ自転車に乗っていた娘は、額に一生消えない傷を負ってしまい、母娘の人生に大きな禍根を遺すことになる。その後、主人公は進駐軍の将校と結ばれるが、それは更なる娘からの反発を招く結果となった。
このドラマで、劇中の義母は世間に忖度などしていなかったし、戦前に日米関係が悪化していても、当時のラジオ・ジャズ文化を満喫する日本人が多かった、という描かれ方は、月並型の日本製戦争映画・ドラマに慣れた当方には新鮮だった。

サウンドトラック

ウクライナ戦争も、終わりの見えない泥沼の様相を呈している。
ニューズウィーク誌で、「ロシアは当初、東端の日本への侵攻を計画していた」という、ショッキングなスクープ記事もあったが、81年前の戦争を振り返るとき、当時の旧ソビエト連邦に蹂躙された歴史や、前線兵士だけでなく銃後の女性や子どもたちが晒された苦痛や被害を、もう一度振り返るべき時期なのではないだろうか。


いいなと思ったら応援しよう!