中国古典 殷時代 「甲骨文」 篆書
甲骨文字は、紀元前3300年前ごろ(殷時代)に生まれたと考えられます。
亀甲,いのしし,鹿,水牛の肩甲骨などに彫った中国最古の象形文字であり、亀甲獣骨文とも言われます。
清朝の末期(1899年)に熱病の特効薬として、色が白い為、「龍骨」と言う名前で古物商によって売られていました。これを偶然に購入した王懿栄(おういえい)が骨片に刻まれた図象が古代文字だと気付き、収集及び研究し始めました。その後、殷の遺跡から数十万点の甲骨文字が発見されています。
殷の時代は、神のお告げによって全てが決定される神権政治でした。天と王の対話を中心とした歴史、政治、社会に関して、多岐に渡って占が行われていました。その占いの記録を小刀で骨に彫りつけたものを卜辞(ぼくじ)と言います。
甲骨文字は、漢字の源流とされ、字体は周時代以降の漢字の祖型を示しています。象形,指事,会意(かいい),形声の構成がみられ、また文の構造でも古典漢文と同じものが多く存在します。
【釈文】
王占日。有崇。八日庚戌。有各雲。自東。□母。昃亦有出虹。自北。飲手河。王占いみて曰う。崇あらんと。八日庚戌に、各雲あり、東よりし、□母(冒晦)す。昃に亦た虹の出づることあり。北よりし、河に飲む。甲骨文(玄妙臨)
※この作品(臨書)と資料は、2021ー2022に行った臨書展で使用したものです。
・玄妙個展2021「古典漫遊〜文字の変遷をたどる〜中国編」
・玄妙個展2022「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」
・玄妙個展2023「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」