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日本古典 平安時代 「藤原佐理」 

944年―998年
公卿・書家。名家に生まれ育ち、四歳で父と死別し,祖父に養育された。
能書家として名高く、上代様書道の創始者道風を受け継ぎ、さらに発展させた三蹟(三跡)の一人。その筆跡を佐跡という。

歴史書の大鏡では、「日本第一の御手」と称賛されている一方、「怠け者で泥の如き人」とも書かれており、今に伝わる書状には、謝罪や経済的困窮を訴えるものもあるという。

佐理は扁額や屏風の色紙形なども書いたといわれるが、詩懐紙以外は書状ばかりが伝わっている。

代表作品は「詩懐紙」「恩命帖」「離洛帖」など。

藤原佐理「詩懐紙」玄妙臨
藤原佐理「詩懐紙」玄妙臨 拡大

・藤原佐理「詩懐紙」
「懐紙」とは、衣の中に所持する「ふところがみ」のことで、この紙に漢詩文を書いたものを「詩懐紙」と言う。この詩懐紙は、藤原佐理が、祖父の太政大臣実頼(さねより)が開催した詩歌会において、自ら詠んだ漢詩文をしたためたものである。
〈釈文〉花不語偷思得。隔水紅樱光暗親。兩岸芳非浪上。流鶯盡日報殘春。花唇語らざれども、偷かに思い得たり。水を隔つる紅桜光暗親しめり。両岸の芳菲浪の上に浮かび、流鶯尽日残春を報ず。

・玄妙個展2021「古典漫遊〜文字の変遷をたどる〜中国編」
・玄妙個展2022「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」
・玄妙個展2023「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」

墨玄会 主宰 玄妙 


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