中国古典 後漢時代 「曹全碑」 隷書
曹全碑は、後漢の時代(185年)に刻された石碑であり、正式名は「漢郃陽令曹全碑」とされています。
完成後すぐ土中に埋もれてしまいましたが、明の時代に、ほぼ完全な形で発掘されました。
大きさは272×95センチで、碑首は存在せず、20行あり、一行45文字で構成されています。
内容は、後漢の時代の官吏でありながら武将としても優れた能力を持っていた曹全(景完)が地方の黄巾の乱を鎮圧し、民政に功績をあげたことを称えたものでした。
曹全碑は「八分隷」として知られる典型的な作品であり、扁平な字形と隅々まで行き届いた美しく伸びやかな波磔と優美さが特徴です。数多くの漢碑の中でも「神品」(神業的な第一級品)と評され、漢時代を代表する名品の一つとされます。また、隷書の伝統を完璧に受け継いでおり、「漢隷の最後の花」と称されています。
【訓読】
君 諱は全、字は景完、敦煌效穀の人なり。其の先は蓋し周の冑なり。武王の乾の機を乗り、殷商を翦伐す。既に爾の勲を定むるに、福禄の同まる恢たり。弟叔振鐸を曹国に封ず。因って焉を氏とす。秦漢の際
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