私の環境研究ことはじめ #2 環境も平和も守るために、私たちができることは?(インターン生 平田乃愛)2/2
小倉亜紗美さん(GEN世話人、呉工業高等専門学校准教授)
インターン生によるインタビュー、「私の環境研究ことはじめ」。第2回目は小倉亜紗美さん(呉工業高等専門学校 准教授)にお伺いします。
小倉さんには、GENチャンネルの聞き手としてGENの活動を支えていただいています。GENのnoteでは、小倉さんの執筆されたメールマガジンのアーカイブを読むことができます。
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■ 自分で一から作ったガイドブック
―特に思い入れがあったり、印象に残っている研究対象はありますか?
大学院生のときに研究していた、広島県を流れる黒瀬川です。川の有機汚濁が国の環境基準を満たせていない理由を調べていました。その原因は分かったのですが、改善にはお金がかかり、行政も動かさないといけません。私は、まずは川のことをみんなに知ってもらい、親しみを持ってもらう必要があると思いました。そこで、『黒瀬川流域ガイドブック』という本を制作・出版しました。
―ガイドブックの制作の背景を教えてください。
黒瀬川をよくするための県の事業に参加し、黒瀬川のいいところを紹介する本を作ることを提案しました。しかし県に予算がなかったので、助成金を申請して、自分たちで作成したんです。
このガイドブックは、流域の公立図書館や小中学校に一冊ずつ寄贈しました。この間市の中央図書館に行ったときに、ボロボロになったガイドブックを見つけて、それほどみんなが借りて読んでくれたんだな、と嬉しくなりました。
■ 現在取り組まれている環境活動について
―小倉さんが現在運営委員をされている、西条・山と水の環境機構について教えてください。
年に6回ほど山の木の除間伐を行っています。
東広島市は、三大名醸地の一つです。日本酒の70〜80%は水でできているので、水源である山を守る必要があります。そこで、酒蔵の人や大学関係者と協力して、山を保護する活動を20年以上前から続けています。小学生や高校生、大学生も、企業のCSR活動の一環として参加してくれています。また、ボランティアで参加してくださる一般の方もおられます。
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■ 世話人の立場から見るGENの活動
―GENの魅力を教えてください。
こちらのやりたいことを押し付けるのではなく、現地の人と対話しながら対応することで、ひとつひとつ成果にしているのがすごいです。また、若者を含む多くの市民が現地に行って学ぶ機会を提供しているのは、素晴らしいと思います。
―GENの課題も教えてください。
組織としての課題は、会員の減少です。特に若い方が少ないので、インターン生による発信は大切だと思います。
活動としての課題は、日本と中国の政治的な関係が影響していることが挙げられます。加えて、これまで植樹したところを学術的に評価するなども必要ではないでしょうか。
―最後に、今後もGENの世話人として活動していくうえで、目標などがあれば教えてください。
現在書いているメルマガの記事を通して、会員の方へ環境にやさしい取り組みを紹介していきたいです。それがGENの新しい活動のきっかけになったり、環境によりよい選択肢を会員の方が選ぶことにつながればいいなと思います。
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■ インタビューを終えて
学生時代から環境に関する活動に幅広く取り組まれ、さらに国際交流のお仕事もされてきたというお話を聞き、私も自分の探究心や情熱を大切にしていきたいと思いました。
私自身は、若い人の環境に対する興味関心が薄いことが重大な課題だと感じています。私たちは大地や水、植物、動物の恩恵を受けていますが、その資源は無限にあるわけではありません。未来を守っていくために、地球環境に今なにが起きているのか、まずは興味を持ち、知っていくことが大切なのではないかと思います。