特別会計とは何ぞや(@_@)
日本の国家予算には
「一般会計」「特別会計」があります
「今年は○○億円の赤字ヤバいです」とよく報道されますが
わし「横っちょの特別会計は何よ?それ貰え」
となるので
勉強してみるのだ(∩´∀`)∩
執筆活動持続のため
クリエイター支援いただけると幸いです。(o*。_。)oペコッ
特別会計-概要
国の会計は一つの財布、単一会計が望ましいとされるが、
一方で、広範囲にわたり複雑になると細部が見えなくなる
デメリットもある。
そこで、
見えるようにしたい特定の財源だけ財布を分けた制度が
【特別会計】である。
また、特別会計の中から更に抽出した財布【勘定】もある。
特定財源とは
使う予算項目、目的を決めている財源のこと
特定財源となる税金(例)
・目的税(消費税など)
・地方に配分する地方譲与分(航空燃料税、石油石炭税)
・法律で使途を別途特定したもの(牛肉関税、交通反則者納金)
特別会計-予算運用概念
特定財源を原資としているので、必要以上の資産を保有しないよう、
剰余金を適切に処理することを概念としている。
※いわゆる使い切りの根拠であるが、明確な表現は無い
H30時点設置済み特別会計一覧
横の( )内数字は特別会計内の特別会計【勘定】項目の数
・交付税及び譲与税配布特別会計(内閣府、総務省及び財務省)
・地震再保険特別会計(財務省)
・国債整理基金特別会計(財務省)
・外国為替資金特別会計(財務省)
・財政投融資特別会計(3)(財務省及び国土交通省)
・エネルギー対策特別会計(3)(内閣府、文科省、経産省、環境省)
・労働保険特別会計(3)(厚労省)
・年金特別会計(6)(内閣府、厚労省)
・食料安定供給特別会計(7)(農水省)
・国有林野事業債務管理特別会計(経過特会)(農林省)
・特許特別会計(経産省)
・自動車安全特別会計(4)(国交省)
・東日本大震災復興特別会計
(国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、外務省、
財務省、文科省、厚労省、農水省、経産省、国交省、環境省、防衛省)
※震災発生日 H23.3.11
一般会計と特別会計の違い
・予算処理手続きなど
一般会計と同じ、積み立てができる(年金などが該当)のが大きな違い
・歳出歳入予算の設定
上限下限
一般・・・上限なし、特別・・・最初に上下限(出入りが固定)
予算設定(特別会計)
各々の特別会計の区分経理の対象となる歳入歳出を具体的に定める
規定が設けられています。
例)食料安定供給特別会計の食糧管理勘定
主要食糧及び輸入飼料の売渡代金をも固定して主な歳入、
主要食糧及び輸入飼料の買入代金や食糧管理費を主な歳出(仕入れ)を固定とします。(特別会計法第 127 条第 2 項)
・特別が固定されるのは
目的をもって、一般会計から切り離して経理する性格上、歳入歳出が限定
されるので(使う分だけ切り離した→理論上±0となるから)
・不足したら・・
手続きは・・・必要分経費を規定し、再度限度額変更を国会で制定
繰り入れは・・・一般会計から繰入れる場合は無条件に認められていない
(特別会計本来の目的を見失うため)ため
予め、一般会計からの繰入れ用の財布が、特別会計法の各特別会計の章に
設定されている
・余ったら
【特別】
使途が自由ではないため、剰余金が生じた場合には、財政法や特別会計法で規定された一定のルールの下、適正に処理することとされています。
使途が明確なので基本は繰越同予算内で
ただし、活用可能であれば一般会計に組み込める
(いわゆる使い切り)
【一般】
2 分の 1 以上の金額を公債償還のための財源に充て財政健全
化を図り、残余を一般会計の翌年度歳出の財源
(2分の1国債償還、他は繰越しして次年度に)
余剰金じゃないの?【不用額】とは
歳出予算のうち、結果使用する必要なくなったものを言う
不用額は原則予算は予備費を持たないことから発生しないが、
実施額算定により余剰金として発生する要因となる。
したがって
不用額を出さないように算定された予算額に不用額を
見越して歳入要求することにより歳出が同額となり、
発生を抑えることが出来る(要求予算を削る元凶でもある)
実例 H30予算状況
歳出編
歳出総額
国債整理191.2兆円+年金91.8兆円+地方交付配布系51.7兆円
+財政投融資26.9兆円=388.5兆円
388.5兆円は重複計上が多く
取り除いたものが
歳出純計額
195.7兆円=国債88兆円+社会保障69兆円+地方交付19.1兆円+財政投融資繰り入れ12.0兆円+復興経費1.9兆円+その他5.7兆円
歳入編
歳入総額
公債金、借入金163.7兆円(国債整理借換債103.2+交付配布金借入金31.6兆円+財政投融資債12兆円)
+
一般会計受け入れ(余剰分)54.5兆円(国債特別会計23.3+交付金配布金15.6兆円+年金特別会計13.8兆円)
+
保険料、再保険料収入(積み立て)45.2兆円(年金42.5兆円+労働保険2.5兆円)
=391.1兆円
歳入純計額
一般からの受け入れ重複(54.5兆円)など計上を除いたもの
143.9兆円※何故か詳細が一部のみのブラックボックス
余剰金
143.9兆円(純歳入)-(195.7兆円(純歳出)-54.5兆円(歳入受け入れ重複))+H29余剰金
=9.2兆円+国債整理余剰金3.1兆円=総余剰金12.3兆円
※国債余剰金は偶発的不足分が発生しなかったため、そのまま国庫に
戻ったもの
あれれ?H30予算結果 不足、余り?
歳入 一般+特別の純計=239.7兆円(公債、借入94.2兆円)
歳出 一般+特別の純計=238.9兆円(国債87.8兆円)
となり
国債を除く歳出は144.5兆円
歳入も国債分を入れた(現金ベース)から除くと124.4兆円
となり
124.4兆円-144.5兆円(交付金、補助金こみ)
=20.1兆円不足となる
特別会計制定後の問題
・特別会計が項目が増えすぎると
=単一会計化=無意味or明確化の逆複雑化
となり本末転倒となる
※実際、明治30年には60個と膨大に増え問題となった。
・国民に説明しやすい反面、硬直し固定化の懸念、
使い切りの考えより、赤字財政なのに浪費されてしまう
・固定化=常に余剰金が出ている可能性があり、不要なところに
活用されている
・特別会計の中に、さらに【勘定】という財布を作っているため
複雑化し不透明なものが多数存在している
日本の税金種類一覧(参考1)
国税
所得課税:所得税、法人税、地方法人税、特別法人事業税、復興特別所得税
資産課税:相続税・贈与税、登録免許税、印紙税
消費課税:消費税、酒税、たばこ税、たばこ特別税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税、電源開発促進税、自動車重量税、国際観光旅客税、関税、とん税、特別とん税
地方税
所得課税:住民税、事業税
資産課税:不動産取得税、固定資産税、特別土地保有税、法定外普通税、
事業所税、都市計画税、水利地益税、共同施設税、宅地開発税、国民健康保険税、法定外目的税
消費課税:地方消費税、地方たばこ税、ゴルフ場利用税、軽油引取税、
自動車税(環境性能割・種別割)、軽自動車税(環境性能割・種別割)、
鉱区税、狩猟税、鉱産税、入湯税
他国の会計状況(参考2)
・アメリカ
1.一般的目的のために資金を経理する「連邦資金」と、社会保険等の特定のプログラムを遂行する多数の「信託資金」に区分。
1.なお、「統合予算」と言われるものは、これらの資金に係る収支のほか、米国輸出入銀行などの公企業も含めた収支を全て一本化して説明するために、議会に対する勧告としての性格を有する「大統領予算教書」で作成される資料を指す。
・イギリス
租税収入等を財源として経常的支出をまかなう「統合国庫資金」と財政資
金等の貸付け、国債発行・償還機能を有する「国家貸付資金」を中心に構成。そのほか「国民保険基金」等が別に存在。
・ドイツ
1.すべての収入及び支出は、連邦予算に計上するのが原則。
1.ただし、他の連邦財産と区別され管理運営される連邦特別財産が存在。
・フランス
1. わが国の一般会計に相当する「一般会計」のほか、特定の歳入をもって特定の歳出に直接充当させる「付属予算」及び「特別勘定」が存在。
※注:上記の諸国では、我が国の特別会計歳出の約半分を占める国債整理基金特別会計に相当するものの大部分は、国庫の資金繰りの問題として、そもそも予算計上されていない
参考文献
財務省主計局「H30特別会計ガイドブック」
財務省 税の種類に関する資料
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a01.htm