子宮内膜症#4_治ることのない病気
過去2回の「子宮内膜症」の記事は、発覚の経緯やその当時の気持ちをつづりました。
ここから数回は、子宮内膜症がどんな病気なのかを書いていこうと思います。
産婦人科学会や医療機関、製薬会社が公表しているものが正確でわかりやすいのですが、この病気ではない人にもどんな病気かを知ってほしいので書くことにしました。
子宮内膜症ってどんな病気?
ということなのですが、下記のイラストがとても分かりやすい。
「子宮内膜」は本来子宮の内側にあり、女性ホルモンの影響で妊娠へ向けて増殖し、ふかふかのベッドになります。
妊娠に至らず、ベッドが必要ないとなると経血として体外に排出される。
これが月経です。
本来は子宮でのみ起こる子宮内膜(に似た組織)の増殖が、子宮以外でも起きてしまう。
それが炎症や癒着の原因になるから治療が必要になるってわけで、通常の子宮内膜と同じく女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けるから、子宮内膜症の増殖を抑えるためには、ホルモンに作用する薬物療法や手術によって進行を防止する必要があるんです。
ちなみに、卵巣で子宮内膜症が起きると「卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)」と呼ばれます。私の卵巣はチョコの侵食(笑)に遭っています。
※チョコレート嚢胞についてはまた別の機会に書くので、ここでは割愛します。
発症したら一生付き合うしかない
厳密には閉経までのお付き合いです。
まれに治る人もいるようですが、生理周期で悪化していくので生理がある限りはこの病気とお友達。
根治させるには、子宮と両方の卵巣のすべてを取る手術が必要で、根治手術を行えば妊娠は当然不可能になる。
薬物療法の場合、薬を飲むことをやめれば妊娠が可能だけど、薬を止めたら子宮内膜症は悪化する可能性があるから「明確に妊娠を希望する」時以外は薬を飲むのが基本。当然、妊娠はしません。
これがね、この病気が発覚した時にショックを受けた一番の理由でした。
人によって感じ方は当然違います。
出産を終えてから発症・発覚したのであればこんな風には思いませんよね。
私は30代独身でリミットが差し迫る中での発覚だったので、よけいに打撃が強かったんだと思います。
誤解しないでほしいこと
薬を飲んでいる限りは基本的に妊娠しませんが、子宮内膜症=不妊症ではないということ。
不妊の原因のひとつが子宮内膜症であることは事実ですが、子宮内膜症患者の全員が不妊症なわけではない。
実際、子育て中の知人に子宮内膜症であることを伝えたところ、妊娠時の検査でその方にも子宮内膜症や子宮筋腫があったことが分かった、ということを聞かせてもらいました。
割とあるあるなのか、同じような反応が返ってくることは少なくありません。
だから、子宮周りの病気があるからといって、イコール「妊娠ができないんだ」と思わないでほしいと切に願います。
私が望んでいること
先日の投稿でも書きましたが、気を遣ってほしいからこのnoteを書いているわけではありません。
どんな病気か分かったうえで接してほしい、●●の話題に触れないでほしいから発信している、というわけでは断じてない!のです。
あらかじめどんな病気かを知っていたら、「わたしそうなんだ」って言われたときに、会話が変わると思うんです。だから知ってほしい。
自分がこの病気であると伝えてくれたその人は、たぶん何かしら話を聞いてほしかったり、伝えたいことがあるんだと思うんです。
過去を振り返って、私にこの病気を伝えてくれた人の雰囲気や表情を思い出すと、そういう雰囲気を纏っていたなって思う。
だから、ぶしつけな好奇心ではなく、その人が何を伝えたいのかに耳を傾けてコミュニケーションを取ってあげてほしい。
その中で発生する好奇心(という表現が正しいか微妙だけど)は良いと思います。病気のことや、あなたのことを理解したいと思ってしている質問かどうかは、言葉や表情で伝わりますから。
この病気は、生理のある女性の10人に1人が罹患しているといわれる病気です。10人に1人って多くないですか?
でも当事者でなければ、この病気のことを知ることはありません。私がそうでしたし。
病名を聞けば「なんとなく」わかる、ような気がする。
でも、実際どんな病気かを知らない。
だから、私には関係ないと感じる女性も多いし、よくある病気だからこそ「ふぅん」で終わってしまう。
前述のとおり、この病気は閉経まで付き合う「治らない病気」だし、命に関わる病気でないとはいえ、人に言いたくない病気のひとつだと思います。
それなのにわざわざ言うっていうのは、何か理由があるのかな?と思うきっかけになってほしいと思って、今回のこの記事を書きました。
(もちろん、あっけらかんとしている人もいるけどね。)
病気だと告白されて、「触れない気遣い」よりも、「そうなんだね。どんな病気なの?あなたはどう感じているの?」と話せるやさしい関係が溢れる世の中(なんて壮大なんだ!!笑)になりますように。
参考リンク