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リミックスポイント2023年3月期決算について

 小田玄紀です
 
 先ほど開示されたリミックスポイント2023年3月期決算について、解説をさせていただきます。

2023年3月期 決算補足説明資料|Remixpoint|リミックスポイント

 先日、開示をしたように私がこの6月28日の定時株主総会をもってリミックスポイントの経営から退任するため、このNoteが私としては最後のリミックスポイントの決算解説となります。

あたらしい日々に向けて|genki oda (note.com)

 既に開示もしておりますが、前期末までに金融事業の中核であったビットポイントジャパンを譲渡し、また、自動車事業を廃止するなど、事業ポートフォリオの再構築を実施しました。
 
 現在の当社の主な事業の柱は、電力小売事業を中心としたエネルギー事業と、蓄電池事業や省エネコンサルティング事業を中心としたレジリエンス事業となります。

 2023年3月期の業績ですが、売上327億円、経常損失17億円、税引前当期純利益72.5億円となりました。先日開示をした業績予想とほぼ近い着地となりました。
 
 特に特徴的なところとしては、エネルギー事業において業績予想よりも利益が上振れたこと、また、補足資料中の「その他」については、主にレジリエンス事業において商品評価損の計上を行ったことにより、1.9億円の損失となった点になります。
 

 こちら四半期毎の損益推移となります。エネルギー事業においては既存顧客についても適切に新プランに移行したこと等もあり、四半期で6.6億円の収益を確保することが出来ました。今後、電力事業については安定的な収益計上が期待されます。

 エネルギー事業については、毎四半期に説明をさせて頂いておりますが、2022年3月期に2022年4月限月から2023年3月限月までの電力先物取引にかかる評価益10.06億円を計上しており、この部分が当期の期間損益と対応しないため、当期のエネルギー事業のセグメント損益は4.66億円の赤字となりました。つまり、電力先物取引の時価評価変動分の除く当期のエネルギー事業の実態としては5.4億円の事業部利益が確保されていたことになります。
 
 なお、電力先物については昨年において電力価格高騰をヘッジするために活用をしてきましたが、現在においては顧客の電気料金プランを新契約に移行したことなどもあり、この4月以降については電力先物を保有していません。そのため、会計上の数値が事業実態と収益認識時期がずれるということは今後生じないと考えております。
 

 こちら貸借対照表になりますが、流動性が高い資産が中心となっており、純資産は168億円となっています。現預金についても前期末の48億円から111億円と大幅に増加しています。

 電力の高圧・低圧の顧客推移となります。低圧は新規契約を止めていることもあり、引き続き高圧需要家が中心となっていますが、売上は大幅に増加しています。

 リミックスでんきは自社で電力需給管理をしていることもあり、柔軟に電力プランを提供することが可能です。
 
 これまでは独自燃料調整費を導入した「高圧スタンダードプラン」が中心でしたが、昨年新しく「JEPXスタンダードプラン」をリリースしました。既存の顧客や新規顧客の多くをこの「JEPXスタンダードプラン」に契約して頂いていますが、「JEPXスタンダードプラン」は、需要家の電気料金が市場価格に連動するため、当社はどのような市場環境でも安定的に収益を確保することが可能となります。
 
 なお、既に確保している相対電源を供給するという観点、また、完全に市場価格に左右されることを好まない需要家のために、引き続き「高圧スタンダードプラン」の提供も一部行っています。
 
 また、需要家にとっては多少割高になりますが、電気料金単価を年単位で固定したいという需要家のために「高圧フラットプラン」という料金プランも用意しました。これは、需要家の求めに応じて、予め当社が固定価格で電力を調達できた場合に限定して提供する、固定単価型の電力プランです。このプランであれば、当社は販売単価や需要家の受け入れをコントールすることができ、需要家は電気料金単価を固定化することができます。
 
 このように需要家の要望に対して、リスクとのバランスを図りながら、柔軟にきめ細やかなサービスプランを提供できることがリミックスでんきが支持されている理由になります。
 

 低圧については、これまでは新規申込受付を止めていましたが、これからは電気料金が電力市場価格に連動するプランを中心に、再び新規申込を受け付けていきます。また、環境価値に敏感な需要家のニーズにも応えるプランも用意いたしました。

 また、低圧需要家は家庭用蓄電池との相性も非常によいと思っています。太陽光と蓄電池をセットにしたソリューションも提供をしていきます。
 
 これらは再エネという観点だけでなく、災害発生時におけるレジリエンス対策としても価値を発揮すると考えています。

 家庭用太陽光・蓄電池についてはJ-クレジット制度を活用した家庭における太陽光発電設備等の導入によるCO2削減プロジェクトを推進していきます。
 
 家庭用の再エネは発電単位も小さく、それぞれの家庭がJ―クレジットを申請していくことは非常に手間なのですが、当社がクレジット認証を申請し、当社の顧客に対してその分のポイント等を付与していくことを考えていきます。これは、省エネコンサルティングや各種補助金申請の実績があるリミックスポイントだからこそ出来るサービスだと考えています。
 

 これまで当社の蓄電池事業は家庭用蓄電池が主でしたが、今後は、法人向けの小型産業用ハイブリッド蓄電池の販売も行ってまいります。

 レジリエンス事業部の各種補助金申請ノウハウも確実に進化を遂げています。引き続き、省エネを中心とした各種補助金申請においては一定の知見を保ちながら周辺事業へと繋げていきます。
 
 
 以上がリミックスポイント2023年3月期の決算説明となります。
 
 2012年にリミックスポイントの経営参画してから11年が経ちました。このタイミングで退任することについて、多くの意見を頂きましたが、これは決してネガティブなことではなく、リミックスポイントも収益性のある事業、強固な財務基盤、そして組織体制が出来上がったため安心して後を任せられると考えたための退任となります。
 
 これまでリミックスポイントの収益は良い時は良いですが、悪い時は悪いと、まさに乱高下を繰り返していました。今後については、高橋さん体制のもとで、よりステーブルで平和な成長ができるのではと考えています。
 
 実現出来たこと、実現出来なかったこと、それぞれ多々ありますが、間違いなく、これからのリミックスポイントを持続的に成長させていくためには、後任に道を譲ることが良いと考え、今回の決断となっております。
 
 6月から経営は外れますが、私自身もこれから、リミックスポイントを応援していくサポーターの一人になっていきます。社会の変化を捉え、適切に対応していくことでリミックスポイントは大きく成長を出来ると信じています。これからもリミックスポイントを一緒に応援頂きますようお願い申し上げます。
 
 2023年5月12日 小田玄紀

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