ちょうど400円、ポケットに入っていた【ビジネスマン part3(完結)】
「get a phone call from Akemi」
イヤホンの音楽が途切れアナウンスが流れた。アケミから電話だ。
「俺だ、どうした?」
「急にごめんね、今大丈夫?」
声色は明るく落ち着いていた。アケミから昼間に電話をかけてくるのは珍しいから、何かあったのかと思ったじゃないか。
「大丈夫だよ、急ぎ?」
俺は改札からすぐのスペースによけた。少年が一旦駅員のいる窓口から離れてうじうじとリュックやらポケットやらを探っているのがずっと目に入ってくる。
「ううん、ごめん、帰ってき