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139.一人一人、考えた指導をする

お疲れ様です。
営業トレーナーの坂山一哉です。
今日も読んでいただきありがとうございます。

今日はある事例をもとに、私がどう指導したかです。
製薬会社の営業ってご存知の方もいらっしゃると思いますが
お医者さんのところに行き、薬を説明し採用してもらったり、
その後は使っていただくために訪問して情報の提供や収集を
するのが日課です。

それ以外にも、講演会やセミナーなどを企画し
先生に参加していただくために、情報を
提供するという仕事もありました。


数年前のこと、あるメンバーとの同行の時思いもかけぬことが起こりました。

彼は非常に真面目です。
しかし少々気が小さいところがありました。

まずは訪問計画。
どこへ行って何をするかです。
この日は彼が企画したセミナーが夕方にありその最後の案内も兼ねていました。

そしていざ出発。
まずは一軒目。
ここは今日のイベントに参加してくれるかまだ決めかねている先。
最後の案内のために、一緒に行くことに。

さて施設に着くと・・・・
閉まっているではありませんか?
そう、この日は休診日。

しかし彼は昨日今日担当したばかりではありません。
なんで?って思いましたが、
彼の顔を見てすでに血の気がひいています。

しかし彼から出てきた言葉は
「おかしいなあ〜」でした。

仕方ない、次や!って言い二軒目に。

到着した時最後の患者さんがいらっしゃいましたが
その施設の駐車場で待つことに。

この施設の駐車場は隣なので入り口が見えない箇所。

彼は隣の車がなくなったら行きましょうと言います。
私はもう最後だから中に入って名刺を出しておけばと言いましたが
でも聞き入れない。
一軒目の失態で頭はぐちゃぐちゃです。

そして患者さんが出てきたのですぐに行くと
施設のシャッターが閉まっていました。

一瞬の出来事です。
あらら・・・
さらに彼の顔から血の気が・・・・


はい次!って私。
三軒目に到着したら、ここも院内は真っ暗。
彼は待っていてくださいと言い残し、施設へ向かいますが
当然院内はすでに誰もいない。
施設の看板をみると・・・
その日の午後はお休みでした。


もうここまでくるとこっちが呆れますよね。

そして四軒目。
ここは何とか面会できました!
ホッとしましたよ(笑)

その後、昼食を取り5軒目に。
そこはビルの3階にあるのですが
エレベータのボタンを押してもランプが点かない。

彼はまだ空いてないんですよ!って。
それにしても、午後の診察時間はもう迫っている。
おかしくないか?って思い、
一回にあった調剤薬局へ聞きに行きなさい!と指示しましたが
彼は行こうとしない!

何故なら、
先週の同じ曜日に訪問をしており、
今日も診察はあるはずです。の一点張り。

しかしもう診察時間やで!とも思い
徐にiphoneを取り出し調べてみると・・・・

なんと、その施設は第5週目の木曜日の午後は
お休みでした(笑)

「なあ、これ見てみ!。今日は休みやわ!」
って告げると、もう彼真っ青。

そらそうですよね。
朝から全然面会出来ていないですもん。

どうしよう、せっかくの同行なのに
ほぼ面会できず、怒られるなんて頭を過ぎったのか?

彼はもう真っ青で
「所長、今日は夕方からイベントあるので
 帰って準備しても良いですか?」と。

そういうことになり、事業所へ帰ることに。

そこで最後の事件が起こります。

駐車場に車を入れていた時・・・・

「ガガガガガーーーーーーー」って
大きな音が・・・

柱にぶつけてしまったのです。
車のバンパーは歪んでしまいました。


この駐車場、彼はいつも停めているんですよ。
でもやってしまった。

朝からの出来事でもう本当に焦りまくっていたんでしょうね。
もう顔には血の気がありません。

本当に彼は何も話さない。
言葉が出てこないんです。


私としても、ここまで続くとどうなっているのか?
最初は
訪問計画がおかしいやろ!
面会出来るかちゃんと調べるべき!
多くの情報を事前に準備すべき!

などと同行後に伝えることにしようと
思っていたのですが、ここまでくると
さすがに、この後にセミナーが心配になりました。

とりあえずセミナーは何もなく
終了出来たのですが、本当に多くのことが重なりました。


さて、ここまで長々と書きましたが
この時に私が彼に対してどう指導したかです。


同行途中の失敗に関しては
途中で何も言いませんでした。


特に運転中などに色々と始動すると
事故にもつながりかねないからです。

また、彼の様子がおかしくなっているのも
分かりましたので、その時には厳しいことも
言いませんでした。


最後に車をぶつけた時も、とにかく事故報告の
指示をだしましたが、その後にイベントが控えている
こともあり、そこも喧しくは言いませんでした。


さて、その日が全て終わったあと、
当然彼は私に叱られると思ったのでしょうね。


彼から、お叱りは何なりと受けます!と
言ってきたのです。


私は一言だけにしました。
「今日、何故こうなったかわかっているか?」と。


彼は、
自分の計画の甘さ、事前に調べるなどの甘さ、など
事前準備がまだまだきっちりと出来ていないと。

確かにそうなんです。
事前準備が必要なのは当然のことですが、
私が最後に付け加えたのは、
「いつも同じ曜日に、同じ時間に訪問しているからと言って、
 今日も大丈夫的に思っていたら大きな間違いになるで。
 事前準備をきっちりとしても、あかん時もあるねん。
 でも今日のことは忘れたらあかんし、事前の準備は
 やはり入念にすることやね!」って
言ってあげました。


正直、私の中では大丈夫か?ってこと。
もっと言えば腹立たしいとも思っていました。

でも声を荒げ怒っても仕方ない。
特にその時は、彼はもうどうして良いかもわからない状態。
そんな彼に怒っても、後を引きずるだけ。
そう思い、指導をしてのです。
 
メンバーへの指導。
難しいと思います。

人には個性があり、同じ叱り方は出来ないと思います。
でもこれもちゃんと一人一人を見てあげているからこそ
ではないでしょうか?

一人一人を大事にする。
そんな上司になってくださいね。

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