
【前編】げんきっず代表 岡元邦治(げん)の想い
2025年に結成した子どもよさこいチーム げんきっず。
今回は、前編として、げんきっず代表の岡元邦治(げん)に聞く「なぜ、今、子どもよさこいチームを立ち上げるのか」その理由について伺いました。
インタビュアーは、げんきっず副代表のRINKAです。
ぜひ、ご覧ください。
(RIN)げんさん、今日はお時間ありがとうございます!では、改めてではありますが、簡単に自己紹介をお願いします。
(げん)岡元邦治と申します。今年で50歳!(笑)
元々は、ミュージカルなどの舞台俳優をやっていたんですけれども、そこから学童保育を経営したりして、現在では演出振付家として活動をしています。その他にも、ライブペイントアーティストとして舞台上で音楽に合わせて絵を描いたりしています。基本的には、ゼロから創るのが好きなおじさんです。(笑)
(RIN)ありがとうございます!げんさんと話しているとすでに楽しい(笑)
お話しいただいた中で、学童保育など、元々お子さんとの活動をされていたと思いますが、今回子どもとよさこいを掛け合わせたげんきっずを立ち上げようと思ったきっかけは何ですか?
(げん)元々学童の子どもたちだけでよさこいのジュニアチームをやっていたんですね。でも諸事情により学童保育を畳むようになりまして、自分の中ではやり残した想いがどこかに残っていたんですね。子どもたちを連れて北海道YOSAKOIソーラン祭りに挑戦させたかったとか、そんな想いも残っていたんですね。
それと、今年50歳になるので、俺が子どもたちに指導できるのもあと10年くらいだな、というのもきっかけです。というのも、子ども相手だと本気でやらないといけないんですよ。もちろん、大人に向けても本気なんだけど、子どもは特に本気でぶつかっていかないといけない。なので、体力的にもジュニアチームをやれる時間ってそんなにないな、と思ったんですよ。なので、今だなと思ったんです。
最後に、自分の意見を言えない子どもたちが増えた気がするんです。劇団で指導する中でも、ちょっとダメ出しすると自己否定された感覚となり、縮こまってしまったりする子どもたちが増えましたね。そうしていく内に、自分の意見を言いにくくなってしまう子供たちが増えた気がしています。そして、自分だけではなく相手に気を使いながらの関係性を構築することも難しくなってしまうんですよね。なので、話し合いの場においても、意見の強い子が主張したら、その他の子は黙っているとかそういう場をよく見るんですね。こういう場面に遭遇するのが、以前に学童保育をやっていた時よりもすごく増えました。これはいかんぞ、と危機感を持ったのもきっかけですね。
(RIN)なるほど。最後に仰っていただいた最近の子ども達の傾向については、げんさんが劇団やミュージカルで携わる子どもたちだけではなく、社会全体的にみて感じる部分があるということですか?
(げん)そうだね。みんながみんなそうって訳ではもちろんないと思うんだけど、なんかこう自己表現できなかったり、他者と円滑なコミュニケーションをとることが難しいと感じたり、あくまでも肌感覚ですけどね。それは、そういう子供たちを否定しているわけではなく、自分自身も含めて大人の責任だとも感じています。
(RIN)なるほどですね。げんさんが感じていらっしゃる課題感をよさこいで解決できることもあるとお考えだと思いますが、なぜよさこいなんでしょうか?
(げん)これが多分HipHopとかバレエとかではなく、俺の中ではやっぱりよさこいなんですよね。あれだけ声を出しながら、エネルギーを全部出してやる踊りって他にはあまりなくて。さらに、よさこいって伝統芸能でもある一方で、自分たちのオリジナリティを全面に押し出せるというのがまたよさこいの魅力でもありますよね。なので、今回の課題感でもあった、自分たちの個性を出して表現していけるよさこいがハマったという経緯があります。
(RIN)そうですよね、今おっしゃっていただいた自己表現していく力って、元々げんさんが演舞作りにおいてテーマとされている「がむしゃら」と合致する部分がありそうですね。
(げん)そうだね。そんな偉そうなこと言っているけど、俺が子どもの時ね、全然喋れなかったんだよね(笑)授業中とかも挙手できなかったし。それこそ、自分の意見なんか言えなかったし。みんなと一緒であることが、落ち着いていた子どもだったんです。でも、絵とかを通じて自分の気持ちを表現していたんです。

(RIN)そうだったんですね、子どもの頃から結構絵を描かれていたんですね!
(げん)そうだね、小学校の先生に昔絵を褒められたことがあってそれがきっかけだったね。子どもの頃に褒められた一言って、ずっと自分の自信に繋がっていたりしますよね。これは体感しているので、げんきっずにおいても、この一言、声かけの仕方もすごく大事だなと考えています。
(RIN)なるほどですねえ、、、本当に言葉って大切ですよね。げんさんが子ども頃は、絵が自分を表現する一つのツールだったと思うんですが、それ以外の自己表現ツールもあったんでしょうか?
(げん)そうねえ、絵以外にあまりなかったんですよね(笑)何なら、演劇部の人たちとか、なんなのこの人たちとか思っていました(笑)ただ、大学で俺のことを誰も知らない地方の大学に行ったんですよ。将来は、青年海外協力隊でバドミントンを教えたいと思っていたので、中学からずっとバドミントンしていたんですね。ただ、あまりに没頭して大学入学後すぐに肩を壊してしまって、バドミントンを続けられなくなってしまったんですね。なので、エネルギーが余ってるし友達もまだいなかったから、自分の中で熱狂できる居場所を探すような感じで、人力車のアルバイトやったりラグビー部入ってみたり、探検部に入ってみたりと色んなことに挑戦しました。ただ、色々やったけど全部なんかしっくりこなくて、友達の誘いで気軽に参加してみた市民ミュージカルにどハマりしたという経緯がありました(笑)ミュージカルの世界だと男性が少ないので、チヤホヤされるんですよ(笑)

でも、そこが自分の居場所になったというか、今まで透明人間だったのが、こんなよそ者でも必要とされるんだという感覚になって嬉しかったんですね。そこで初めて自己表現の楽しさを知りました。
お芝居だと何者にでもなれるんだよね。そこが自分で自分を表現できなかった俺にとっては、一つそこにフィルターがあることでやりやすくなったのもあります。
なので、踊りに関しても、そういった力があるなと思っています。面白いことに、うまく話せない大人しい子どもが音楽かかると急に殻を破ったりする瞬間とかがあるんですよね。それをきっかけにみんなと少しづつ話せるようになったりとかそうやって成長していくんですよね。
(RIN)なるほど面白い〜。げんさんのこれまでの人生から感じたことや想いそのものが、げんきっずのコンセプトでもあるよさこいで子どもたちを元気にすることにも繋がっていますね。
(げん)そうだね、自分がね、やっぱりよさこいで人生変わったんですよね。よさこいに関わったことで人生が豊かになったというか。大学卒業して舞台俳優にはなったんだけど、ずっと劣等生だったんですよね。全然通用しなかったけど、今振り返ると芝居で生きていくという覚悟が足りなかったんだなと感じています。でもやっぱり自己表現していくことが好きで諦めきれなくて、そうこうしているうちに現在では演出振付家としてお仕事をさせていただいているという経緯になります。
(RIN)いやあ、素敵〜!
(げん)本当は、表で輝きたかったんだけどね!(笑)裏方の方が性に合っていたというか、今は俺ができなかったことをみんなを通じて表現しているという感じです。
次回、中編「げんきっずでやっていきたいこと」そして、「なぜ、他メンバーであるくすみんとRINと3人でげんきっずをやるのか」に迫ります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
げんきっず第一回ワークショップ開催!
応募詳細は、ホームページをご覧ください。
▼岡本邦治(げん)によるワークショップ詳細
https://genkids-yosakoi.studio.site/posts/ws1
岡元邦治(げん)プロフィール
愛媛大学教育学部卒業後、教育免許を取得しながら、劇団四季や東京ディズニーランド、UNIVERSAL STUDIOS JAPAN等のオーディションに合格し、舞台俳優として活動する。
引退後は、演出振付家として独立し、よさこい踊りの世界に足を踏み入れる。
北海道札幌市で開催されるYOSAKOIソーラン祭りにて、自らの演舞作品である"magma"が最高の賞である第32回YOSAKOIソーラン大賞を受賞。
自らが指揮をとるキッズチーム「馬花道ジュニア」が同大会で第23回ジュニア大賞を受賞。
その他、ちば国体2010(開会式YOSAKOI振付)、ももいろクローバZ(YOSAKOI振付)、郷ひろみ (YOSAKOI振付)など演出振付家としての実績をもつ。
げんきっずでは、「踊りの上手い下手は関係ない、心が踊るように全力で遊ぶ」ことを信念として、よさこいを通じて子供達の無限の可能性を引き出す役割として主に演舞づくりを担当している。
プライベートでは、2児の父でもあり、子どもが明るく輝く世界を創ることを信念として、多方面で活動している。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~