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私の命を助けた言葉

実は 私の膝の靭帯は 左右全滅してるのです。
スキーが上手になりたくて 没頭していたときの事故。
事故といっても ただ普通に滑っていただけで ブチッと音がして切れたのです。別に人とぶつかったり、転倒したわけでもなく。。

医師曰く、私の靭帯は元々緩めのよう。
だからスキーのような膝をひねるような負担がかかるスポーツをしているから ケガをしやすいのだとか。
スキー以外にもキックボクシングで更に半月板まで失うことになりますが・・
でも、お医者さんからは「プロレスラーでも靭帯がない人いるから、大丈夫だよ。筋トレがんばれ!」と言われました。私とプロレスラー 一緒?? と思いましたが、気持ちが楽になりました。
(実は子供の頃の将来の夢は プロレスラーでした)

といいつつも、「スキーかキックボクシング どっちかにはできないの?」と言われたこともありますが、そういうわけにはいかないのですよ、、
先生・・ごめん。
でも、今でも先生に言われたように、しっかり筋トレは続けていますよ。

最初に前十字靭帯断裂を下のは、今から30年位前。
スキーに復帰するためには手術で再建が必要でしたが、傷跡も小さくして、早くスキーに復帰するには どこに行けばいいか、、と悩み、整形外科の有名な先生のところを何件も行きました。

でもどの先生も 顔も見ず、スキーができるようになりたい、という気持ちを聞いてくれる先生はいません。
なんなら「僕が手術するんだから、歩けなくなっても仕方がないと思ってね」と言われる始末・・・ 

ショックがすさまじい・・

そんな状態で 半ばあきらめていたところ、たまたまテレビに出演されていた整形外科の先生。
とてもやさしそうで 最後の望みをかけて 外来へ。

テレビにも出ているとても有名な先生。
当然 何時間も待つことになりますが、いよいよ私の番。
また嫌な思いをすることを覚悟しながら、

「スキーをまたやりたいんです」

と私が手術をしたい理由を伝えると 

先生は 笑顔で

「うん、大丈夫。スキーできるようになるからね」「僕に任せて」と。

私は嬉しさと共に、ほっとして、涙が出てしまいました。この私が!

ほとんど人前で泣かない私がですよ!

言葉通り、先生は迅速かつ温かく膝の治療をしてくれました。
はっきり言って、この先生が手術してくれて 歩けなくなっても「仕方ない」と思えるくらい信頼できていました。

人の言葉には、こんな強い力があるんだ、と痛感した経験でした。
技術があっても、言葉ひとつで信頼を得られなければ やはりそこには疑心ができてしまう。
言葉には人と人の心の命を繋ぐものだと思います。

私に 心の命を与えてくれたのは、
当時は東京逓信病院 整形外科部長 黒澤尚先生です。

現在は 江東病院の理事長に着任されながら、中高齢者が元気で歩くための運動を推進されていらっしゃいます。多くの整形外科の医師にも尊敬される人格的にも素晴らしいと私は今でも尊敬している先生です。

あの時に感じた「信頼感」 これが私の人とのかかわりの原点になっていると思います。
人は 人生の途中からでも 素敵な人に出会うことで、人生が変わるのですね。
そして、そういう素敵な人に出会える自分でいたい、と強く思っています。


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