新時代の企業と個人の関係性とは
エンゲージメントが下がり続けている
HR業界では有名な図で何度も目にしたこともある方もいるかもしれない。 これは、ギャロップが調査したエンゲージメント=会社への忠誠心、貢献意欲をどれくらい持っているかのアンケート結果である。
日本はエンゲージメントが低いと言われているが、まず世界全体を見ても低いのも特徴である。世界平均で13%である。そういった意味では、世界はより個人が主役の世界へとシフトして組織にコミットさせる難しさが生まれているかもしれない。
一方、日本と言えば昭和時代は『家族的経営』が主流であり、終身雇用などの制度の影響もあり、就職ではなく就社という概念で会社に入り、働くことが多かったなかで、会社への忠誠心は高いのが当たり前だった。
その中で、急速に下がり続け、現在は7%しかない。
これは、日本にも急速な個人主体の波が来ていることもあるが、会社側が、社員に対してのコミットが減ってきていることも大きな影響があるかもしれない。
激動時代の個人と組織の関係性
現在は、先述した組織主体から個人主体への急激なシフトと共に、技術の急激な変化や日本では人口構造の変化など、全体として激動として時代が変化している。
そんな環境で日本では、将来が見えない世界の中で、一度雇用したら解雇できない雇用制度の日本では、企業側がますます個人にコミットができなくなってきている。
エンゲージメントを高めるために、個人側にだけ企業への忠誠心や貢献意欲、コミットを求めても上がるわけがない。人間関係と一緒でお互いの貢献意欲があって、それぞれのエンゲージメントが高まるからである。
一方、そうはいっても企業=組織で働く以上、個人が組織にコミットしていかなと組織の生産性は最大化するのは難しい。今の流れで、個人主体の流れが加速していくと組織としては弱くなり、小さなグループに分かれていくか、フリーランスで働くのが加速するかもしれない。
そういった意味でこの激動時代の中で今までの個人と企業との関係性を変えていかないといけない。今までは、個人と会社は両方とも依存関係で関係を築いてきた。
しかし、これからお互い自立し、真の意味で協力し合いしていく関係性を築いていく必要性がある。
エンゲージメントを高める新しい関係性とは
企業側から『どうやったらエンゲージメントを高められるか?』を考えているのは、どっかで企業側が上から目線で考えているのが抜けていないと感じる。
これからは、企業も個人も選ばれるし、共にプロジェクトを戦うメンバーとして共闘していく関係性を築いていく必要があるし、今後は企業を超えてプロジェクト型でのチームができて、プロジェクトが終わると解散し、新たなプロジェクトチームが生まれるという形態が加速していくと想像している。
そういった流れが予測される中で、最初に必要な状態はMISSIONとVALUESがリンクするか、共感するかで企業と個人が関係を築いていくことにある。
ここの章で先述した、企業側がエンゲージメントを高めるための施策は何かを考える前に、同じMISSIONを共有し、VALUESに共感し合える企業と個人で働くことがエンゲージメントを高める前提になるということである。
こっちから一方的に物や愛を与えて、ここまでやってくれているか、がんばるしかないかという考えてコミットを引き出すのではなく、同じ目的や価値観同士の仲間だから、お互いコミットするという状態を作ることこそが、真のエンゲージメントの高め方である。
VALUES(バリュー)=らしさを明確にする
そのためにも、自分たちの”らしさ”である価値観を明確にすることが大切である。それは企業も個人も。
企業は自社らしさとは何か? そして自社のMISSIONを達成していくために絶対に大切にしたい価値観や姿勢とは何かを徹底的に考え、それを明文化し、カルチャーにしていく必要がある。
そして、個人は自分が大切にしている価値観は何で、自分の人生の軸とは何かを徹底的に向きあい自分の中で言語化をしていく必要性がある。
そうすることで、お互いの価値観と成したい方向性がリンクすることができ、自然な形でのエンゲージメントを高めることができると考える。
個人の組織のVALUES(バリュー)をリンクする時代へ
私のMISSIONは『働くすべての人が自分の仕事に情熱を持てる個人と組織の状態にアップデートする』です。
そのために必要なのは
①個人がバリューを明確にして、バリューに基づいて働く
②企業がバリューを明確にして、バリュー経営をしていく
③個人と企業がバリューによって新たな関係性を築く
だと思っている。
そのために、バリューシスト=バリューを体現できる組織を育成する事業からスタートし、上記の自分のMISSIONを成し遂げていきたい。