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「世界のビジネスエリートは知っている教養としてのコーヒー」(井崎英典)〜ブック紹介〜

たまにはブック紹介をしてみる。
今回は「世界のビジネスエリートは知っている教養としてのコーヒー」という本。

気づけば毎日のように飲んでいるコーヒー。
自分は中毒なんじゃないかというくらい毎日飲むのが日課になっている。

そんな目の前のコーヒー一杯をただ飲むのではなく、
その裏側にある歴史や背景に思いを馳せる。

そんなことが日常をより豊かなものにしてくれるかもしれない。

本書の中でこんな素敵な話が出てくる。

イタリアのナポリで生まれた風習「カフェ・ソスペーゾ」というもの。

それは注文の際に、お金に余裕のある人が自分以外(後でくる誰か)の分のもう一杯のコーヒー代金を支払うという風習だ。見ず知らずの誰かのために。

第二次世界大戦中の苦しい時期に、
貧しい人が少しでも前向きになれるように応援の気持ちで始めた習慣だという。

きっとコーヒーを恵んでもらった人は、そのコーヒー一杯以上に人の優しさや思いやりを感じ幸せな気持ちで味わっていたのだと思う。

これはとても素敵な文化だ。
今でもイタリア全土、ヨーロッパ、アメリカの一部であるそうだ。


しかし、そんなコーヒーにも負の歴史も存在する。

コーヒーの大量生産のために、植民地に大規模なプランテーションを作り、数多くの奴隷の人を酷使し、生産していたという事実もある。

誰かを幸せにしていた「一杯のコーヒー」の裏側に、
人権を無視され不幸を味わっていた無数の人々がいたということだ。

ここにあげたのはほんの一例に過ぎないが、
本書を読み、コーヒーへの教養を身につけることで、日々当たり前のように飲んでいるコーヒーがより深い味わいへと変わり、視野を広げてくれるかもしれない。

コーヒーに興味のある人はぜひご一読を。


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