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議論で適切に反論するためのコツ

議論で適切に反論するためには、「その説の一般性を仕留めようとしているのか、それとも個別性を仕留めようとしているのかを明確にする」ことが重要だ。

例えば、猫を飼っている人がいるとする。その人が、自分の飼っている一匹の猫を抱きながら「私は猫が世界一魅力的な動物だと思う。ほら、こんなに可愛くて魅力的だ」と言ってきたとして、それに同意できないあなたはなんと反論するだろうか。

「猫」というものの一般性を否定するなら、例えば「いや、猫ではなく犬だろう」という反論になる。一方で、「その人が抱えている猫」という個別性を否定するなら、「猫という動物が世界一魅力的かどうかはさておき、その猫をみても世界一魅力的な動物だという起結は得られない」という反論になる。

簡単な話だと思うかもしれないが、企業の会議室で行われている議論では、この2つの違いがまったく意識がされないまま展開されていることがよくある。そしてその多くは、「個別性を否定しているのに、一般性を否定しているのと同じ言い方をしてしまう」という過ちとして現れる。

逆のパターンもあるにはあるが、相手が怒ることは少ない。そもそも個別性をより分けて議論できている時点で、その議論は非常に精緻に展開されているため、問題はおきにくい。

猫の例とは逆で、一般性を否定されると「その人の考え方や思想」そのものが否定されたように感じられることが多い。例えば営業にはガッツが必要だと言っている人に対して、その一般性に対して反論してしまうと、ガッツは必要ないという話になってしまう。

重要なのは、「確かに一般論通してガッツは必要だが、あなたの言っている『そのガッツ』ではなく、別のガッツが必要ですよ」というように議論をより分けることだ。

もちろん、一般性そのものをガツンと否定することも時には必要である。しかし、単に個別性を仕留めたいのに一般性そのものを仕留めようとしているように聞こえてしまい、トラブルになることが多い。個別性を寄り分けて議論し、反論していくことが肝要である。

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