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知的パフォーマンスを決定づける「頭の良さ」以外の軸
「思考のずれ」という軸
知的パフォーマンスは、当然ながら頭の良い人の方が高い傾向にある。「知的」とつくくらいだから、頭が良い人のパフォーマンスが高いのは当然と言える。
しかし、「頭の良さ」だけで知的パフォーマンスが決まるわけではなく、もう1つ重要な軸がある。それは「思考のずれ」である。
「思考のずれ」とは、「普通はこう考えるよね」というものとはやや別の考えを持つということを指す。ここで重要なのは「ずれ」に留まることだ。
「ずれ」ではなく「完全に別個の考え」を持っていると、話が噛み合わないため知的パフォーマンスの向上にはつながらない。一方で、「ずれ」であれば、通常の考え方とも一部は一致するが、その上で通常とは異なる考え方が持ち込まれているため、話が噛み合ったうえで別の視点を導入することができる。故に、知的パフォーマンスが向上する。
「ずれ」が大きいほど知的パフォーマンスへの貢献が大きい
思考のずれとは、言い換えると「外部性を持ち込む」ということでもある。例えば、とある業界の内部にいる人は、その業界の製品について統一の見解を持っているとする。業界においてはこれが「普通の考え方」であると言える。
思考のずれを持っている人は、そこに外部の視点を持ち込む。例えば、全く関係のない他業界において、「製品と顧客をこう結び付けている」という外部の情報を踏まえて、その業界にも適用できるような形に変換する。
この例のように、他業界のやり方をもう一方の業界に持ち込むということは、比較的「ずれ」が小さい部類だ。より大きな「ずれ」は、もっと遠い領域同士を結び付けることで発生する。一見結びつかないような領域の「外部性」を、とある領域に持ち込むことで大きな「ずれ」を発生させるのである。
ずれが大きければ、誰も思いつかないような遠い領域を結び付けているということであり、それだけ独創性が高いということになる。故に、知的パフォーマンスへの貢献度合いも高いと言える。
大きな「思考のずれ」を生み出すには、「所属領域の振り幅」を大きくすることが肝要
思考のずれを大きくするには、普通にはない組み合わせや結びつけが必要になる。そのためには、全く関係ないと思われるような複数の領域に所属して、それぞれの領域で知見を深めることが重要だ。
例えばビジネス領域に所属しているなら、全くカネにならない非ビジネスに振った領域にも所属する。周辺領域を攻めた瞬間に、独創性は消え失せる。そういった領域の広げ方は、多くの人が実践しているからである。
この「所属領域の振り幅」を大きくするには、自分の興味関心の赴くままに没頭できる領域に気にせず突っ込んでいくことが戦略的に正しい。趣味嗜好が他人と完全に重なることは少ないからだ。その代わり、「みんながやっているから」「流行だから」という理由で取り組むのはNGである。真に「自分の関心が向く」領域に取り組むことが絶対条件だ。
これは案外難しく、自分のアンテナを鋭敏にし、一定のトライアルアンドエラーを重ねて「自分の関心」に辿り着く必要がある。しかしこうすることによって、誰にも得られない自分だけの「思考のずれ」を獲得することができる。