見出し画像

即効性ではなく、遅効性を味方につける


即効性は好まれるが、皆と同じになる

多くの人が「すぐに役立つもの」や「明日から使えるもの」、つまり「即効性」を求めています

即効性のある知識を流行のビジネス書から学び、生成AIのような即効性のあるツールを活用する。これらは特別な訓練は必要なくすぐに使える知識やツールだから、便利で、かつ誰でも使うことができることが大きなメリットです。誰にでもすぐに使えるのだから、もちろん使わない手はありません。

しかし一般論として、メリットは裏返すとデメリットになります。誰にでもすぐに使えるということは、当然ながら自分以外の人も皆同じようにすぐに使えるようになるということであり、自分の独自性には繋がりません。皆が読んでいるビジネス書を読んでいても、ChatGPTを使っていても、「あの人ならではだよね」と周囲が評価することはないということです。

遅効性は独自性に繋がる

他方、「遅効性」のあるもの、つまり「すぐには役に立たないが、将来役に立つもの」は相対的に人気がありません。当たり前のことですが、すぐには役に立たないからです。

遅効性のある知識は、時の洗礼を受けた基本書や古典などから得られ、時間をかけて習得できる知見・技術、物事へ取り組む姿勢や、何かを考える時の思考練度のようなものが遅効性のあるツールです。

これらはそもそも身につけ、使いこなせるようになるまでに相応の時間を要し、かつ誰にでも同じように使えるように用意されているわけではないため、習得する側が苦労しながら自分なりに習得していくしかありません。これは、即効性のある知識やツールと比較して、明らかなデメリットです。

一方で、やはりデメリットは裏返すとメリットになります。習得に時間がかかるということは、一度習得すれば他の人が容易に真似できないということです。そして、誰もが同じように使えるわけではないということは、仮に他の人が遅効性のある知識やツールを習得したとしても、自分と同じように使うようになるわけではない。即ち独自性の獲得につながるということに他なりません

遅行性を味方につけよう

長い目で見ると、遅効性のある知識やツールを使えるように仕込んでおくことで、将来に「自分ならではの強み」を持つことができ、他者は容易には真似できないため参入障壁を築けるということでもあります。

即効性に目を奪われがちですが、そんな時代だからこそ遅効性に目を向け、活用し、味方につける。この考え方を持つことが重要だと考えています。

いいなと思ったら応援しよう!