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努力に逃げずに「どこで戦うと勝てるか」を考える


「忙しさ」という麻薬

人は「忙しくて大変だ」と言いながら、どこかで忙しさを求めている。忙しさは「物事が前に進んでいる」という感覚を与えてくれるからだ。嫌だ嫌だと言いながら、ついつい求めてしまう。

確かに、本当にやるべきことをやっているとき、忙しさは正義である。やればやるほど、正しい方向に向けて物事が前に進むからだ。しかし、「本当にやるべきことをやっているのか」という問いを立てる前に忙しさに取り付かれてしまうことは絶対に避けなければならない

やるべきでないことをやっているのであれば、忙しさは悪である。間違った方向に進んでいるのであれば、物事を前に進めていても意味がない。

「前に進んでいる」感覚があると、間違った方向に進んでいることに気づけない

忙しさによって「物事が前に進んでいる」という感覚が与えられると、自分が間違った方向に進んでいることに気づきにくくなる。何故なら、「前に進んでいる」ことで、自分の実力が少しづつ高まったり、パフォーマンスが高まったりしていくからだ。つまり、実際に能力や状況が少しづつ向上・改善していく。

本来、正しい方向に進んでいれば、1年で100の向上があったかもしれないところ、間違った方向に進んでいることで、1年で10の向上に留まってしまう。しかし、その10の向上があるが故に、自分が間違った方向に進んでいることに気づけなくなってしまう。

間違った方向に進んでいると全く向上が見られないのだとしたら、ほとんどの人は「あ、これは間違っている」と気づけるだろう。しかし、どんな領域でも努力していると少しづつ向上や改善がみられてしまう。これが「気づき」を阻むのだ。つまり、多くの人はここで「努力に逃げて」しまう

「勝てる領域=市場ニーズ×自己特性」を問う

努力に逃げないためには、忙しさの「良性」「悪性」を見極める必要がある。つまり、自分が正しい方向に努力しているのかどうかを問うということだ。

これは言い換えれば、自分の勝てる領域を特定するということに他ならない。勝てる領域においては、全ての努力と忙しさが肯定される。正しい方向に向けた、良性の忙しさが舞い込む

「勝てる」という言葉が重要だ。「好きな」領域ではなく、「勝てる」領域である。つまり、他者(市場)から求められるかどうかが基準になる

しかし、市場のニーズが高いとしても、自分がそこにハマらなかったら意味がない。故に自己分析を行い、自分の特性や能力をドライに把握し、ハマる市場に組み合わせていくことが肝要だ。

勝てる領域=市場ニーズ×自己特性。この図式で考え、ハマりそうな領域で努力する。すぐに見つかるわけではない。試行錯誤しながらどこにセンターピンを置くのかを探っていく作業だ。努力に逃げず、勝てる領域を特定することを優先する方が、長期的に見ると必ず大きなリターンを生む。

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