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ミニマリズムとエッセンシャリズムの違い

エッセンシャル思考を久々に読み返し、ミニマリズムとエッセンシャリズムの違いを再認識した。

ミニマリズムは、その名の通り「要素を減らす」ことにポイントがある。モノが多ければ減らす。装飾が多ければ除く。必要最低限のものだけを残す。少し前から「ミニマリスト」という属性の人たちが注目されるようになったが、そういった人たちに共通しているのは「モノを必要最低限しか持たない」ということだ。ミニマリズムにおいては、減らす、除く、なくしていく、ということに重点が置かれている。

一方で、エッセンシャリズムは「本質を選び取る」ことに重点がある。非常に高い基準を置き、その基準に適うものだけを選ぶ。それ以外は捨てる。ほとんどのものを捨てるが故に、現状モノが多いとしたらモノを減らすことになる。その点ではミニマリズムと共通しているが、エッセンシャリズムは積極的な「選択」が中軸にある。なくすことは手段であり、主体ではない。

このように、ミニマリズムとエッセンシャリズムは異なる。と言っておきながら、実は両者は同じものを別の面から見たものだとも言える。ミニマリズムは、本質を選び取る際に「捨てる」行為にフォーカスを当てており、エッセンシャリズムは捨てた結果として本質を「選び取る」行為にフォーカスを当てている。エッセンシャリズムを実現するためにミニマリズムがあり、ミニマリズムを実践するとエッセンシャリズムが導出される。向いているベクトルが異なるだけで、両者は表裏一体である。

こう考えると、どちらが正しくて、どちらかが間違っているということでは決してない。重要なことは、両方のベクトルをセットで認識することだ。「捨てる」ことだけを見ると、本質を見出せなくなる。「選び取る」ことだけを見ると、本質だけを残すことが難しくなる。全体像を描き、その中で捨てるものと選び取るものに切り分ける。その感覚を保つことがミニマリズム、そしてエッセンシャリズムを追求する上で大切だ。

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