『あの時のような情熱は無くなってしまったのね』彼女はそう言った。僕は、「情熱はあるよ!」と薄っぺらく返した。『君の喜んでいる顔をまた見たい』そう思って頑張っても、きっと僕は喜ばせている僕自身に陶酔しているだけ。薄っぺらく誰かの言葉を借りてこうしてまた自分に陶酔している。
「自転車道ってコマネチしているみたい」 誰かが言った。 それから私は、毎日コマネチの上を走っている。 時折、コマネチの上にかかるくらい、車が幅寄せしてくるから 『ちっ、邪魔だよ、ったく、下手だな運転。馬鹿だな馬鹿なのか?おお?』 と心の中で煽りながら、私は自転車を走らせる。 通勤片道20km。 その街道の名は"山谷街道" ___________________ 私は、以前車で通勤していた。 ほぼ毎日渋滞が起きている "山谷街道"をトロトロと走らせていた。