「オレがロックしよる時、いちばーんだいじなんは気持やけん」 鮎川誠との思い出
「こげん音はオレの頭の中にはなかと」
鮎川誠は僕に向かって言った。
「じゃあ、この音はどうかな」
しばらく沈黙があって、
「オレがロックしよる時、いちばーんだいじなんは気持やけん。
気持ちの入っとらん音を自分の曲には入れとーない」
「じゃあこれも違うんだ」
「うん、そうやね」
1985年、僕がサウンド・プロデューサーとして呼ばれて、
そのバンド、シーナ&ロケッツの“レモンティー”12インチバージョンのレコーディングのダビングの最中のことだった。
バンドで録音した音にバンド以