祖母が教えてくれた「大人になるっていうのは」
僕は祖母ととても仲が良い。
お互いどんなことでも話すし、お互い思ったことを言う性分なのでぶつかることは多々あるが、話し甲斐がある。
祖母は偉大であり、とても尊敬している。
野球が好きなので一緒に見たり、時には将来の話をしたり、彼女と別れた時も肩を叩いてくれた。
そんな関係性の僕らだが、この前久々に喧嘩した。
しかしその喧嘩で祖母が非常に良いことを教えてくれた。
喧嘩の内容は至ってしょうもなく、そして300%僕が悪い。
ご飯をいつも祖母が作ってくれるのだが、
僕は嘘偽りなく発言してしまうので1口食べて「これはあんま美味くないな」。
これには祖母もガチギレ。そりゃそうだ。こんなん誰でもキレる。作り手のことを考えない愚かな発言をしてしまったことを許して欲しい。
そこで祖母はこう言った。
「正直に発言することは悪いことではないけど、タイミングを見て発言することが、大人になるということよ」
これは忖度とか、空気を読めとか、そういった話では無い。
せっかくご飯を作ったのに、1口目で「美味しくない」と言われるのは嫌に決まってる。せめてご飯を食べ終わった後に言えと。そう言われた。
僕は思ったことを嘘つかず言ってしまうので、人を傷つけてしまうこともある。もちろんわざと傷つけようと言っている訳ではない。口から出てしまうのだ。
自分でもこの「癖」が嫌いで、治そうとはしている。しかし、嘘をついて物を発言したくない、とも思う。
「〇〇と思う自分」を曲げたくないのだ。難しくてごめん。
とは言っても、今回の祖母との喧嘩で変わろうと決心した。
「発言のタイミング」は、とても大事で、これはお笑いにも言える。
例えば、お笑いには「天丼」というものがある。
同じボケや発言を2回も3回も続けて笑いを取る手法だ。
この手法は何回もやることで笑いが生まれるが、それを分からずに、1度目や2度目でツッコミをすることは笑いの質を落としてしまうだろう。
まさに「発言のタイミング」だ。
いかに相手のことを考えて自分も発言を出来るか。もちろん今回の喧嘩である程度の着色は必要だと学んだ。
「不味い」と言うか「美味しくない」と言うか「あんまり好きじゃない」と言うか。発言の仕方によっても印象は変わる。
日常の中でも、祖母はしっかりと僕に色々なことを教えてくれる。僕の何倍も人生を経験してきている人の言葉は重みが違う。
そんなこんなで日が経ち、祖母に僕が昼飯を作る機会があった。料理ができない僕だが、頑張って料理を作って祖母に食べさせた。
美味しいのかワクワクして感想を聞いてみると開口一番
「あんま美味しくない」
おばあちゃん???
タイミングは??
大人になるって難しい。
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