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自我を明らかにする3つの視点(1)

「自分とは何か」という自我について、古今東西の哲学者や心理学者の間で、2000年以上、議論されてきたテーマです。それだけ、人類は、自我に関して興味が尽きないのと同時に、絶対的な答えがないテーマということでもあります。
 
なので、これから私がお伝えする自我についての説明を理解できなくても、全然、大丈夫です。
 
これから、あなたのキャラクターを明らかにするうえでの、自我に関する3つの視点を、ご紹介します

(1)2つの自我


1つ目は、アメリカの哲学者ジョージ・ハーバート・ミードの自我の見解を、私なりに再解釈したものをご紹介します。
 
ミードは、自我を「主我(I)と客我(Me)という2つの側面で構成され、また相互作用によって形成されるもの」としています。


主我:客我に対する反応であり、自我の主体性を示す部分
 
客我:他者の期待をそのまま受け入れたものであり、自我の社会性を示す部分
 
ミードは、自我について、自分という存在を観察する主体としての自分と、観察される客体(対象者)の自分を設定しました。
 
このように、1度自我を2つに分解することで、自分という存在を観察しやすくなります。

ミードの見解を、より理解しやすくするために、「主我=見つめる自分」と「客我=見つめられる自分」として説明します。

ミードは、自我の発生には他者の存在が不可欠であるとして、自我よりも社会が先に存在すると考えました。
 
時間的には先に「見つめられる自分」があり、後に「見つめる自分」があるということです。

これは、過去の自分がそのままの形で、現在の自分に組み込まれることではありません。

このことは、現在の「見つめる自分」が、過去の「見つめられる自分」をどう受け止めるかによって、自我が統合、再構成されていくことを意味しています。つまり、どれほど辛い過去を経験したとしても、「自分が何であるか」を決めるのは、今の自分ということです。


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