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“中年の危機”から導かれた「私の生きる目的」(1)

「もう、これまでの生き方を続けてはダメだ」

こう思い立ったのは、私が39歳、事業と健康面の両立が出来なかったことがきっかけでした。

当時、鍼灸院を開業して3年目、経営が軌道に乗り出し、「これから、もっとやるぞ!」と、意気込んでいた頃です。

その一方で、私自身、鍼灸師でありながら、人生で最も喘息症状に苦しんでいた時期です。ときに、喘息発作でゼーゼーと喘鳴の状態で施術をすると、来院された患者さんに「先生、大丈夫ですか?」と心配される始末。その度に、申し訳なさや不甲斐なさを感じていました。

そもそも、喘息は、物心つく前に発症し、小学生の頃、年に2、3回、1週間近く学校を休むほど、病弱な体質でした。
 
幸い、中学から大学まで、野球部に所属したことで、段々と丈夫になったものの、大学卒業後、メンタル面の不調を抱えやすくなってから、再び、事あるごとに喘息発作が出るようになりました。

ゼーゼー、ヒューヒュー、もう無理…

20代は、発作の度に、気管支拡張剤で呼吸困難をしのいでいました。
しかし、30代を過ぎ、次第に、拡張剤が効かなくなってから、毎年、秋になると、1,2歩歩くだけで、息切れで動けなくなるほど、重度の喘息発作を起こすようになってしまいました。

それ以前から、私は、イベントの前になると体調を崩したり、友人と楽しい食事の時間を過ごした日の深夜に、喘息発作で一睡もできなったりというように、「何かいいことがあった後、うまくいかなかったり、邪魔が入りそう」といった感覚を抱えながら生きてきました。

そこで、何とかして、歯車が噛み合わない人生から抜け出そうと、一念発起して、心理療法や潜在意識系のセミナーに参加するようになりました。

最初の体系だった学びが、2013年、棚田克彦先生のビリーフチェンジ・セラピーです。ビリーフチェンジ・セラピーを通じて、『未完了の感情』はについて、初めて知りました。

『未完了の感情』とは、過去に、ネガティブな体験をして、そのとき感じた感情を感じないようにすると、消化されずに残ってしまった感情のことを言います。

特に、親の虐待、友人のいじめで受けた、強いネガティブな感情が完了しないまま、脳内に記憶化されると、その後、過去と似た状況に遭遇すると、同様の反応パターンが浮上してしまうことがあります。

感情は、英語で【e+motion】と表記するように、「動きを引き起こすためのエネルギー」です。実は、ネガティブな感情は、過去のパターンを完了させることを求めて、「今ここ」に浮上しているだけです。

ネガティブな感情や過去のパターンが浮上すること自体に、本来、いい悪いはありません。ただ、『未完了の感情』を消化しないと、次のステップに進むことが出来ません。

では、ビリーフチェンジの学びをきっかけに、どのように『未完了の感情』を消化して、人生をやり直したのか、ご紹介します。

『未完了の感情』の発端は、私が認識している限り、物心つく前の2歳のとき、両親が離婚したことに由来します。

2歳上の姉は母方、私は父方に引き取られました。そして、歯科医師だった父はギャンブル癖で、育てる甲斐性が無かったため、北海道から祖母が東京に出てきて、私は祖母に育てられることになりました。

そのことが影響してか、日常生活において、人から拒絶された、見放された感じとして受け止めてしまいがちで、そうなると、数日間は、心がモヤモヤし続けていました。

そんなネガティブな自分を受け入れてもらおうと、例えば、学生時代、野球部の宴会では、自分自身を貶める自虐ネタで、笑いを得て関心を得ようとしたり、それで、受けなかったと感じると自分で自分を「ダメな奴だ」と責めて落ち込むことが度々ありました。

また、新しいことにチャレンジしても、中途半端に終わってしまい、周りからも「不器用だな~」と言われる始末で、尚更、無価値感や劣等感が強まっていきました。

これらネガティブなループの正体が一体、何なのか分からないうちは、人生が、本当に苦しみでしかありませんでした。

ビリーフチェンジでは、自分の存在を制限する「信念」がネガティブな感情を生み出すメカニズムを知りました。それにより、悲しさや寂しさといった、ネガティブな感情をただ受け入れていくことで、徐々に喘息発作が起きる頻度が減っていきました。

それでも、何かの拍子に、度々、発作をぶり返していました。それは、心のどこかで

「なんでこんな悪いことばかりが起こるのだろう?」
「どうして父親は僕をほったらかしにしたのだろう」

といった、被害者的な呟きをしていたからだと、今なら分かります。
このように他責の言葉を使っているうちは、いくら自分と向き合ったところで、根っこの信念が変わっていきません。そして、過去のパターンの現れとして、喘息症状が出ていたのです。

そこで、「もっと根本的に変える必要がある」と、さらに潜在意識を深く探求しようと、今の私の恩師となる2人の方との出会いがありました。

(次に続く…)

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