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おすすめ落語家ランキングTOP10!

何の気なしに「近所に人間国宝の柳家小三治が来るから行ってみるか」ってことで、それまで皆無と言ってよいほど興味がなかった落語会に行ってから9年という年月が経とうとしております。

以降、色んな方の落語・講談・浪曲を聞くようになって、生涯推していきたい芸人も増えました。

私は子供の頃からサッカーをしていて、サッカー日本代表を強烈に推していますが、同学年の川口能活が引退して久しくなり、同年代の選手を応援することはもはや不可能。

ミュージシャンも推せるんですが、ジジイ化してるので、2時間立ちっぱなしで飛んだり跳ねたりするようなライブは体力的にもはや無理!

というわけで、座ったまま短時間ですぐそこでお気軽エンタメを提供してくれる演芸の魅力を少しでも皆さんにもお届けしたい!ってことで、この9年で私が行ってきた落語会・独演会・寄席で「その人目当てで会に行った回数」の統計を取って、オススメランキングにしたいと思います。

ちなみに、「目当てじゃないけど聞いた人」というのも相当数いますが、そういう方々はカウントしてません。「なぜかよく会う人」というのがいて、誰とは言いませんが、4回、5回聞いてる二つ目・前座さんとかもいるので。

それと、「聞いた回数は一緒」でも、

目当てで行った独演会 > 複数人出る落語会 > 寄席

の順でランキングにしておりますのでご承知おきを。

ちなみに2015年から行き始めてますが、15年1回、17年1回、20年1回、21年1回という感じで、コロナが落ち着いた22年後期から定期的に通う推し活が始まった感じです。

私は、(クソつまらんジジイが出てきて退屈で死にそうになるので)寄席はあまり好きではないので、基本、独演会、落語会の数字です。


【10位】柳家花緑 
人間国宝「5代目柳家小さん」の孫で、小さん最後の弟子。

最初、一之輔、三三が顔付けされている池袋演芸場の寄席のトリで誰かの代演で出てたのを見たんですね。正直、バカにしていたというか全く期待していなかったんですが、そこで聞いた「妾馬」という人情噺を聞いて泣きました。

酔っ払った兄貴、最高だった。


【9位】三遊亭歌武蔵 
あれ?歌武蔵師匠、この順位?って思うくらい好きです。

元相撲取りで、相撲のお話をよくされますが、私が初めて行ったホール落語でマイクの不調で音が出なくなったものの、そこでアドリブで笑いを取りまくっていたのが最高でしたし、練馬の会で、一切マクラも振らず笑いもなく、いきなり噺に入った「柳田格之進」は圧巻でした。


【8位】立川談春 
談春さんは、「物語としての古典落語」を感じさせる人として本当に凄いと思ってます。

中秋の名月の時期に、そのことをマクラで振って入った「死神」の冒頭で、主人公が語る月の美しさが今でも胸に残っています。

中空を見上げてしみじみと、ある意味淡々と「ああ。月が綺麗だなあ。綺麗だ。死ぬか」って言った、字面だけで見たら成立してない流れも、そうか、死を思った人はそういうことで死を決意するのかもな、って思わされる凄みがありました。

聞いた噺のほとんどが、全部胸に残ってます。そういうのって、実は極めて希少なことです。


【7位】三遊亭歌奴 
寄席で数回短い噺を聞く機会があって「この人うまいなあ」って思って独演会も行きましたが、大爆笑でした。

落語家はよく「蕎麦を食べる仕草」というのをやったりしますが、それであそこまで会場全体を爆笑させたのは歌奴師匠だけです。

素晴らしい美声の持ち主であり、その美声で色々とやってくれる面白のアレコレが本当に面白く、冗長さが過ぎるのでそれまで特に好きじゃなかった「寝床」という演目を、歌奴師匠のおかげで好きになりました。見事でした。


【6位】三遊亭兼好 
笑点メンバーの三遊亭好楽師匠のお弟子さん。

上手いです。上手いし、世間の人がイメージする「落語家」というものを素晴らしく体現した人だと言って良いかもしれません。そして面白い。

この前聞いた「大安売り」最高過ぎで、「終わるな、終わるな」って思ってました。



【6位】玉川太福 
「おすすめ落語家ランキング」と書いて、なんで浪曲師挙げるんだ!っていうお怒りはごもっともですが、私のようなほぼ素人人間としては、落語家も浪曲師も同じ地平線に立っている人ですのですいません。

いや、この人はね、4人くらい出る落語会にいて初めて聞いて、その日の誰よりも受けてました。私も爆笑した。ネタは「おっさんがおっさんと弁当のおかずを交換する」ってだけの話。

それであれだけの笑いを取れるの尋常じゃない。

この方は、落語家、講談師なんかの披露のハレの場で1席やったりすることが多いようですが、マジで凄いですよ。「ああ、芸と言うのはこれほどまでに凄いものなのか!」ってことを、容赦なく見せてくれるレベルの芸を持っている人です。

浪曲というオワコンになりかけた芸を復興させている人といっても過言ではない。


【5位】桂宮治 
この辺の人になってくると、「チケットを取りたいけど簡単には取れない」という感じになってきますね。

この人が舞台に出てくるとね、それだけで場の温度が上がり、花が咲いた感じになりますね。「パッ!!」っとなるんです。

「場がパッ!となる」って比喩が最もしっくり来る感じです。

明るい、楽しい、面白い。そういう、小学生が夏休みの日記に書くような単純な形容詞が最も彼の落語と舞台を表していると言ってよい。

小学生100人が桂宮治の落語を聞いて、95人くらいは「かつらみやじのらくごをききました。とてもおもしろかったです」って書くと思います。


【5位】柳家喬太郎 
好きですねえ。喬太郎師匠。

落語仲間からも「落語界の宝」と言われ、師匠さん喬からも「何十年に1人の噺家」と言われる人。

私がM-1の決勝に出てくるような漫才師よりも圧倒的に落語家を好きなのは、フリートークが漫才師と同等それ以上に面白いということに加え、「物語の話者」としての凄みを持っているところです。

ストーリーテーラーとして、笑った泣いて心を震わせられる話を、座布団に座っただけのおっさんが何も使わずに提供してくれるわけです。

ジブリ映画が好き、ピクサーが好き、三谷幸喜作品が好き、新海誠、細田守、誰々の映画が好き・・・ってことと同じレベルで、柳家喬太郎作品をいつも最高レベルで見せてくれる。

心配なのは、このところずっと足が悪く正座が出来ない状態で前に釈台を置いているところ。師匠、体に気をつけてくださいね。


【第4位】桃月庵白酒 
私が好んで聞く落語家は、皆一様に口が悪いです。ブラックです。でもね、カラッとしたブラックですね。

私が落語(落語家)を好きな理由の1つに、全てを笑いに変えてしまうところがあります。多くの人に忌み嫌われる「死」すら笑いで無化してしまう。

恐れの対象である死すら、笑いで無化出来るわけで、それは実はとんでもないことです。

白酒師匠も超絶ブラック毒舌野郎なわけですが、同時に超絶ビューティー美声の持ち主でもあり、その類まれな物語の話者として「ずっと話を聞いていたい」と思わせてくれる名人です。

白酒師匠、大好きです。


【第3位】神田伯山 
こちらも、「おすすめの落語家」と書いといて講談師入れるなや、って話ですが、似たようなもんだろ!細かいことを言うな! って話です♪

というかね、私のように50才を手前にしたおっさんですら、落語はともかく、講談・浪曲なんてのは完全にオワコンの芸でした。

たまにテレビで「女性の講談師が活躍してます」みたいなミニ特集みたいなのを見ると「しょうもない芸をしょうもない芸人がやってるなあ・・・」って思って見てました。

マジでこいつら、こんなしょうもないクソ面白くもない芸を何が楽しくてやってるの?ってことをマジで思ってましたが、神田伯山(当時、松之丞)の芸をテレビで見て衝撃を受けどうしても見てみたいと思い、その後に生で見てみてね、50年近く生きてきた私のエンタメ人生において、最高峰の芸でした。

最初に行ったのは23年の6月で、この1年で相当行ってます。しかも全部プレミアチケットで簡単に取れるわけではないですし、普段なら行かないような場所でもちょっと無理して行くくらいなので、それでも見たいと思うくらいにその話芸が半端ないということです。

神田伯山の芸、半端ない。


【第2位】春風亭一之輔 
笑点メンバーになった時に「落語界の発展の為には良いことだよね。でもチケット取れなくなったらイヤだな♪」って書きましたが、マジで全然取れねえじゃねえかw

この人はね、マジで天才です。世間的には吉本の芸人はじめM-1の決勝に出ている人の方が知名度はあるでしょうが、正直、話にならないレベルで一之輔師匠の方が面白いです(個人の感想)。

笑点に出て、全国をツアーで回り、新宿、池袋、上野、浅草の寄席にも出まくってます。そりゃ寄席も一之輔を出したい。だって、出せば客が来るから。

寄席以外でチケットを取るのはまあまあ難儀しますが、同時代に生きる人間としては頑張ってチケットを取って行ってみたほうがいいです。それだけの価値がある。

私は心の底から一之輔さんには長生きして欲しいと思ってます。ずっと一緒に生きていって、その芸を見続けたいから。


【第1位】柳家三三 
ここに挙げた人たち、玉川太福、桂宮治、柳家喬太郎、桃月庵白酒、春風亭一之輔、神田伯山っていう素晴らしい師匠方はね、みんな最高でずっと追って行きたい方々なんですが、三三師匠だけね、ふとした時に、ふと「ああ、三三の落語聞きてえな」って思うんです。

ああ、お母さんに会いたいなって思った子供の頃のような、彼女に会いたいなって思った若かりし頃のような、美味しい味噌汁飲みたいなってことを海外生活している時に感じたあの頃のような、窓の外で雨がシトシトと降っていてそれを見て物悲しくなるような、なんとも言えない魂と肌感覚で三三師匠の噺を求めているところがありますね。

三三師匠もブラック感あふれるマクラを振って爆笑を誘う人ですが、やっぱね、ストーリーテーラーとして話者としてズバ抜けです。年齢的に言うと、

喬太郎  63年
談春   66年
白酒   68年
柳家三三 74年
俺    75年
桂宮治  76年
一之輔  78年
玉川太福 79年
神田伯山 83年

って感じで、三三師匠以下の方々はほぼ同世代であり、互いに健康ならあと30年は普通に追える。

もはや、ここに挙げた師匠方は、「元気で健康であること」を願うレベル。

皆さん、どうぞ健康で、ステキな話をずっと聞かせてください❤




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