2万円のクラシックコンサートと3000円の落語会。
さて、先日行ったアルゲリッチのコンサートは1番高い席を買って、それが21000円だったんですね。
私が行ったエンタメの中では最高値でした。
普段、私は落語、講談なんかの3000円くらいの演芸をメインに行っているわけですが、コンサートホールに行って客層の違いと服装の違いを明確に感じました。
まあ、街場の演芸場でやる落語と、綺麗なホールでやるクラシックコンサートで来る客の服装が違うのは当然といえば当然なんですが、もう1つ違いを感じました。
私は席を指定できる場合、大抵、真ん中メインの席ではなく、左か右の通路側の席を取るんですね。
理由は、前に背の高い人とか、やたらと動く人とかいると大変気分がよろしくないから。
でも、左右の通路側の席から舞台の正面を斜めに見る感じだと、必然的に前にも横にも人がいなくなるので快適なわけです。
でね、その日、私は途中の休憩時間もトイレに行ったりせず動かずに座ったままでいたわけですが、入ってくる人、出てくる人が、みな「すいません、前を失礼します」「たびたびすいません」ってことを丁寧に言って前を通る人ばかりでした。
たまたまかもしれませんし、落語会なんかで前を通る人全員が挨拶しないわけでもないですが、丁寧さと上品さは違いましたね。
私は東京23区東部のお世辞にもガラが良いとは言えない土地柄で生まれ育ち、その後、30才過ぎから東京都西部の埼玉県寄りの場所に越して暮らしてますが、やはりね、住む場所によっても暮らしている人のタイプというか、層とうか、そういうものは違います。
ほんとね、下町の錦糸町、亀戸なんかは京葉道路を通って当たり前にチャリで行く暮らしをしてましたが、そこを夜中に走っていると、まず間違いなく毎回と言ってよいくらいにお巡りさんに職務質問されて盗難車かどうが確認されますが、東京西部に越してきて十数年経ちますが、チェックされたのはたったの1回だけです。
「人生を変えるにはどうしたらいいか?」って問いに、
・使う時間を変える
・付き合う人を変える
・住む場所を変える
って言った人がいましたが、正にそれによって人生は相当変わるでしょうね。
地方から転勤によって東京に越してくる人がいたとして、勤めが新宿の場合、中央線や西武新宿線で30分あたりの東京西部の土地と、総武線や都営新宿線で30分くらいの東京東部の場所だとどちらもベッドタウンになるわけですが、どちらを選択するかでだいぶ人生は変わりますね。
私は東京東部の地元を愛してますが、しょっちゅうお巡りさんに職質される街は、まあ、お世辞にも治安がよろしいとは言えないでしょうw
もちろん、街によって良いところ悪いところ、メリット・デメリットはそれぞれですし、その人それぞれの生き方のスタイルもありますから何かを断定するわけでもないですが、今日、私が言いたのは、行く場所を変えれば出会う人も変わるし、出会う人が変われば人生も変わるよね、ってお話です。
エンタメを聞きにいって公演中に誰かの携帯がなって不愉快な思いをしたことがある人は8000万人くらいいるでしょうが、そもそも先日行ったトリフォニーホールは、ホール内に携帯の電波が入らない仕様(スクランブルという電波妨害システム)になっているため、99パー、携帯は鳴りません。
不愉快になりようがないわけです。
とまあ、東京東部とか落語に来ている人をdisりまくっている感じになっていますが、そんなことは全く無く、普段わたしはずっとそっち派で人生を楽しんでおります。
そして、2万円したアルゲリッチのコンサートは、現状お世辞でもなんでもなくピアニストとして世界最高峰のところにいるエンタメでしょうが、去年見た3000円の神田伯山の講談は、私としてはそれをはるかに超えたエンタメでした。
どっちが良いとか悪いとかではなく、選択によって人生は変わるよ、っていう単純明快なお話でございました。