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心の安定を数値で理解する(1)
今回からは、私たちが日々感じる「不安」を具体的に捉え、どう改善していくかについて、実践的なアプローチをご紹介します。
この方法を私が自信を持って紹介したいのは、
他ではない私自身がこの方法で不安から脱出できるようになったからです。
心の不安定さを数値化し、改善への道筋を立てる方法です。
心が不安定になる原因を論理的にお話ししてきましたが、
ついに実践編です!
いつもの図の復習
さてさていつもの大事な図です。
心理学者のマズローの欲求5段階説というものです。
左側のピラミッドがマズローの唱えた各段階で、右側は私の解釈です。
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詳しくは前回と前々回の記事に書いてあるので、
ここではポイントだけ書いておきます。
<ポイント>
下の2段階は重要!
人は上に登っていこうとする
一度手に入れたものを失うことに大きな恐怖を感じる
上に上がると下の大事さを忘れる
数値化する3ステップ
やることは3つしかありません。
ですが、時間は掛かりますよ。
欲しい物はそう簡単に手に入らないのが人生というものです。
努力はやはり必要です。
なーんだ。簡単にできないのか。と思いましたか?
ですが、これまでもお話しした通り、
不安というものは人生のさまざまなタイミングで邪魔をしてきます。
間違った判断でいらないトラブルを引き起こしたり、
立ち止まって遠回りさせられたり。
そんな時に好き放題振り回されるか、
しっかり時間を取って不安に対処するか。
あなたはどちらに時間を掛けたいですか?
これが数値化の3ステップです。
不安の具体例を挙げる: あなたの不安をリストアップします。
安心状態を考える: 不安を感じない、理想の状態を想像します。
数値化: 安心状態に必要な条件を数値で表します。
ステップ1: 不安状態の分析
まずは不安という状態を分析していきましょう。
不安の定義はとても難しいですよね。
そんな時はピラミッドを見てください。
ピラミッドの下の2段があなたにとってどんなことなのかを書き出します。
<ちょっと復習>
■生理的欲求
生理的欲求は生きる上で必要な最低限の欲求です。
食事や睡眠・排泄など、人間の機能として欠かせないものを確保する欲求です。
■安全欲求
雨風をしのぐために家を確保したい。
食料や生活を安定的に確保するために、安定した収入を得たい。
他人に生活を脅かされないような知識と体力をつけたいなど、
私たちは色々な危機を回避できるように対策を取っていると思います。
これが安全欲求です。
この2つって本当に最低限の欲求ですよね?
私の場合は次のように考えました。
私にとっての不安の例:
3食の食事に困る
睡眠などの休む時間がない
住む場所が無い
病気の時に治療できるお金がない
災害の時に修復するお金がない
継続的に収入が入らない
仕事が無くなったら1年以内に貯金が尽きる
生活や軽い運動ですら支障が出る体力
困難を乗り越えられないほど心が不安定
などなど…
というようなことを思い付く限り書き出しました。
私が愛車を手放した日、自由への第一歩
ある朝、愛車が突然動かなくなったのをきっかけに、
私は車を手放す決断をしました。
地方で生活していると、車は必需品とされますが、
在宅フリーランスになってからは車に乗る機会は急激に減っていたからです。
車が必須の社会の中で車を手放すという決断には不安がありました。
ですが、よく考えてみると私の気持ちには2つの欲求が混在していました。
①安全欲求:移動手段としての車
②承認欲求:ステータスとしての車
①の安全欲求は優先順位が高いですが、
自宅で仕事をするようになってから、
自宅から少し離れた駐車場に置かれたマイカーには乗らず、
ほとんど家族の車を借りて出掛けていました。
そのため、私の安全欲求は家族の車で満たせていました。
②は承認欲求の側面が強く、
車に乗る機会が減っていた私には、
そこまでして欲しいんだっけ?という思いが沸いてきていました。
当時改めて私にとっての価値を考えてみたのですが、
結局②の欲求の優先順位はそれほど高くないことが分かりました。
買ってはいけないというわけではなく、
上の3段の欲求は最低限の範囲外、
つまり自分が意図して選んでいることを自覚しないといけません。
ここでは心の安定とその他の欲求を切り離す力を身に付けていただきたいんです。
一方で、過去の私がやっていたように、
仕事のために睡眠を削るなどの行為は、
自ら不安状態を招いているのが分かります。
実際に体調が崩れた時、かなり大きなショックを受けました。
そうならないとなかなか気づかないのが残念ですが、
承認欲求を求めて、最低限確保したいことを
自分から失うような行動をとってしまうのはとてもよくあることです。
その反対を考える
自分にとっての不安が分かったら、
今度はそれを回避した安心状態を書き出してみましょう。
私の例:
毎日3食を食べるお金がある
睡眠が十分取れている。休む時間がある
住む場所を確保できる経済力がある
病気の時に治療できるお金がある
災害の時に修復するお金がある
継続的な収入がある
仕事が無くなっても1年過ごせる貯金がある
生活や軽い運動をこなせる体力がある
困難を乗り越えられる安定した心
などなど…
どうですか?
こうやって文字にしてみると、
自分にとっての優先順位がはっきりしてきます。
もしあなたが書き出した項目の中で、
現状満たせていないものがあったら、
それはあなたにとって最も意識しなければならないものになります。
日々あれこれ買わなきゃいけないものや、欲しいものがあると思いますが、
それらは心の安定に関係していますか?
本当に必要でしょうか?
心の安定を犠牲にしてでも上層の欲求を獲得しようとしていませんか?
次回はここで書き出した項目を数値にしていきます!
是非「へぇ〜」で済まさずに
あなたにとっての不安と安心を書き出してみてください!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた。
Genie Granny(ジーニーグラニー)